仮説、選ばれた理由と承諾

「同じようなチーム名を考えるヤツが他に居たって可笑しくない。だが……なんか引っかかる。そもそも、なんで俺が選ばれたんだ?」


 そう言い幸は思い悩んだ。


「手紙には、ちゃんとしたことって書いてなかったのか?」

「波留、ああ……書いてあったのは一部の能力者とこの世界で悪さをしているってことだけだ。それにそこに書かれていた者の中には、知ってるヤツが居なかった」

「んー……幸、仮にだけど。デスゲームを始めたヤツラが、幸の知ってる者だったとしたら……女神の依頼を受けたか?」


 そう星奈に聞かれ幸は、思考を巡らせる。


「……内容にもよる。いや、間違いなく受けるだろう……なるほどそうか!」

「何か、分かったのか?」

「波留、ああ……。女神が手紙を書いた段階では、俺にギフトを渡し忘れている。ってことは、もし全てのことが書いてあれば……」


 一呼吸おき再び口を開く。


「いや、見知ったヤツの名があったら……俺は能力なしでもソイツを止めに行く。もし女神が、そんな俺の性格を知っていたとしたら……手紙に書かないかもしれない」

「それはあり得る。それにこれは憶測なんだけど。女神が幸を召喚したのって、ソイツを止められる存在だからなんじゃ?」

「星奈、その通りかもしれない。俺もそれしか思いつかないしな。ただそうだとして、誰がこの世界に来て居るかだ。んー、名前は分からないのか?」


 そう幸に問われて、星奈とコリュカとミフェナは首を横に振る。


「チーム名以外は聞いたことない。それに、調べるのも怖くて逃げてたからな」

「そうか……とにかく調べるしかない。できれば、そうあってほしくはないけどな」


 幸はつらい表情を浮かべ遠くをみつめた。

 それをみた波留たち六人は、幸を心配しみつめる。

 そうこう話をしているとノックされ扉が開いた。そこからミクセアがブロバルと共に入ってくる。


「お待たせしました」


 そう言いミクセアは、波留のベッドまできた。そのあとからブロバルがくる。

 それをみた幸は、立ち上がり椅子を持ってこようとした。

 だがミクセアは幸を静止させる。そうミクセアは、自分が用意すると言ったのだ。

 するとミクセアは、椅子をライゼルの隣に用意した。その後ブロバルに、ここに座るように云う。

 それを聞きブロバルは、その椅子に腰掛ける。

 ミクセアはコリュカに言い移動してもらった。

 そんなコリュカは、不貞腐れている。だが、幸に言われたので渋々後ろの椅子に座った。

 そしてブロバルは、波留たちに自己紹介をする。


「コウ様、話はミクセアから聞いた。勿論、ミクセアを一緒に連れて行ってほしいのだが」

「はい、やはり駄目……えぇぇー!! 待ってください! 一人娘を危ないかもしれない旅に同行させるって……」

「うむ、だからだよ。ミクセアは、コウ様と一緒に居る時の方が楽しいらしい。それに……まあこれについて私の口から言うことではないな」


 そう言いブロバルは、幸を真剣な眼差しでみた。


「分かりました。まぁ旅は、俺だけじゃないし大丈夫か」


 そう幸が言うとミクセアは頷き、ニコリと笑みを浮かべる。

 それを聞いていた星奈とコリュカとミフェナは、不満そうだ。

 そして幸たちは、さっき話していたことをミクセアとブロバルにも伝えたのだった。

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