アンジュ
旗尾 鉄
プロローグ
プロローグ
ある年の夏休み。
小学校六年生のみずほは、福井県小浜市にある、母の実家へ帰省していた。
毎年楽しみにしている帰省だったのだが、今年は気にかかることがあって、素直に楽しむことができない。
なんとなくモヤモヤした気持ちを抱えたまま、実家近くの人魚の浜海水浴場へ海を見に出かけるみずほ。
みずほはそこで、若く美しい尼、アンジュと出会う。
すぐに打ち解けて仲良くなる二人。
やがてアンジュは、小浜に伝わる『八百比丘尼』の伝説を話題にする。伝説には、続きがあるのだというアンジュ。
翌日、ふたたび会ったアンジュは、八百比丘尼の裏話を語る。
そして、みずほに、ある「お願い」をしたのだった。
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