幕間 黄金の国


 アルホゥート国。


 天候・気候共に安定した豊かな土地を国土とする国。

 

 しかし、平和から始まる土地など無い。豊穣を日常と示す豊かな土地を獲得するには歴史もある。


 古来より。


 その地に根付く黄金の魔力により木々には金色こんじきの果実が成るとされる。

 その果実にも魔力が込められ、長年に渡り食すことで、身体的特徴にも、変化が訪れる。


 その地に巣食すくう魔物の体毛は黄金に。


 果実、及び果実を食したモノそのものを食し続けて、10年経てば心臓・魔力回路が強く。100年経てば肉が隙間無く引き締まり、硬化する。1000年経てば毎秒魔力が増強され湧き続ける。


 その途中で進化を遂げるモノもいれば、世代交代を目的とした「受け継ぎ」をするモノもいる。


 黄金の地はその豊かな土地とは打って変わり、土地の防人さきもりと言うかの如く。強大な魔物を育ててきた。

 そんな魔物が蔓延る、開拓不可能とされてきた楽園エデンに、何を思ったか。


 人々はもうとした。


 そして、人々は一通りの果実を喰らった。初めに髪や瞳が黄金になり。


 次には魔物を狩りそれを食した。身体付きは人並み以上、もしくは己の長所が特化し、現在のアルホゥート国が建国される子孫の代にはもうすで


 心臓、魔力、魔力回路、血と肉を含めた肉体が強化され魔物共と対等に渡り歩けるまでに至った。


 そうして、アルホゥート国は数々の強者つわもの冒険者を排出してきた。

 近年では他国からスカウトされ、騎士や国王の護衛になる者も現れている。


 国王は民を想い。民は国王を思って今日この日もまた紡がれゆく歴史。


 また人口の約9割以上が金髪金眼であり、果実も魔物も黄金に輝いているためちまたでは




『黄金の国』




そう親しまれている。


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