第14話 白銀
「そこまでだ!やめろ!」
奇跡の剣リーダー アルドが駆けつけた。
「アルドさんだ!」「S級冒険者のアルドさんがきてくれた。」
周りの冒険者もアルドの到着で歓喜の声、安堵の声を上げる。
「アッシュ!大丈夫か!?」
アルドはアッシュに駆け寄る。
「あ、があ、」
アッシュはアルドをみて安心したのか気絶した。
「お前がこいつの飼い主か?」
「どうせアッシュが悪いのだろうが、ここまですることがあるか?見たところ一方的に殴られている。貴殿の実力であれば手加減もして相手できたはずだ。」
「躾けがなっていないように見えたのでな。少し躾けてやった。」
「これが躾けか?」
アルドはそう言ってボロボロのアッシュの顔を見る。
「あぁ、お前がやらなければいけなかったことを俺がしてやったのだ。」
「俺はこんなことはしない。」
アルドがそう言って立ち上がる。
「いや、するべきだった。でなければこいつはもっとつけあがる。」
俺は剣に手をかける。
前もこいつを見たときに、一目見ただけでわかった、こいつ強い。
鑑定!
名前:アルド
レベル:55
職業:重戦士
HP: 6000
MP:2000
攻撃力:600
防御力:520
敏捷:400
精神:480
スキル:身体強化Lv7 怪力Lv5 危機感知Lv7 鉄壁Lv6 魔法耐性Lv5 威圧Lv5 闘気Lv:6
特記:パーティー奇跡の剣リーダー S級冒険者
まぁ、強いと言っても人間にしてはだ。ステータス的には勇者と同じくらいか。強さはスキルもあるからおそらく勇者のほうが強いか?
いずれにしても勇者のステータスと同じくらいのオートマタが素手で勝てる相手ではない。
「…そうだな。俺はアッシュと一度しっかり話をするべきだったな。」
アルドは背中に背負っている大剣を即座に抜き、俺に降り下ろした!
俺もミスリルの剣を抜き、これを受ける。
ガキン!!
くっ、重い!
「これでチャラだ。」
アルドは剣を納めた。
「不意打ちとは、卑怯だな。」
全く、びっくりしたよ。話が終わる流れだったじゃん。
「お前なら受け止めると思った。」
「じゃあ、俺からもびっくりさせてくれたお礼にこれを返そう。」
そう言って俺はアルドにアルドが首に下げていたはずのS級の首飾りを投げて返した。
「こ、これは…」
アルドは汗が噴き出る。全く気づかなかった。
いつ取られたのだ?
「次会った時にそいつの態度が治っていなかったら、次取るのはその首飾りではない。」
俺はそう言って冒険者ギルドを後にした。
全く、アリアにあんなことしたのにそのあと全くしつけられてないなんて。
アルドのおっさんにも怒ってるんだからね!
と心の中で呟きながら。
冒険者達はこの騒動を機に全くジンに近付かなくなった。
F級でありながらもS級冒険者をも圧倒する。
出自、性別、顔、本当の実力、その全てが謎に包まれた冒険者の騎士。
冒険者達の間で噂が大きく広がり、人々は彼をその身につけている鎧から 白銀 という二つ名で呼んだ。
「ジン様、一定数以上の依頼をこなしたため、Eランク昇格試験に挑戦できますよ。」
「え、ほんとですか?」
そして白銀は明日、E級試験に挑む!
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