【第5話】学校欠席後の放任と容認 の巻①

◆◆毎朝の出欠選択◆◆


長男たこ・長女ぴこ・次女ちぃは、絶賛不登校・不安定登校の日々だ。


今週は、誰も、1日も、全く学校に行かなかった。1週間フルで休んだ。

もちろん毎朝「今日、学校どうする?」と母は聞いていた。

それは母がとても聞きたいことだったから。


不登校の子どもたちを親の登校プレッシャーで潰す気はナイ。

けれど、腫れ物を扱うように、聞きたいことも聞けないのも、なんか違うと感じている。


母の、「今日学校どうする?」に対して、「行かない。」と返す我が子たち。

3人ともが行かないを選択する。

「了解。」と自分の表情や声のトーンに浮き沈みを付けずに、母は最近は返せるようになっていた。

夫の表情は見ない様にしているが、そのやりとりに肩を落としているのは空気で感じていた。


夫の気持ちは痛いほどわかる。母も夫の感情に引っ張られそうになる。

「学校、行けよ~。ほんとに大丈夫か?成長期だぞ?」という思いが無いわけがない。しかし、母は、そこを出さない様にした。


母だってことはまだ出来ない。「休めばいい。」「学校は行かな行かなくて良い」と肯定したり、決め打ちすることは到底無理だ。だって、行ってほしいんだもん。

今、やっとようになった。「わかった。」「そっか。」と声のトーンをそのままに、伝えられるようになっただけにすぎないのだ。



◇ ◇ ◇ ◇


そのやりとりの中でも、母には絶対のルールがあった。

それは、『自分で決めること』


「〇〇が休むなら、私も行かない。」「〇〇が嫌なこと言って、行きたくなくなった。」と、子どもたちが自分の欠席の選択に、兄妹を引き合いに出してくることがある。

更には、「親が行けって言うから、仕方なく行く。」という事も同義だ。


それに関しては、猛烈に叱った。“人のせいで自分の選択が変えさせられた”というようなことは絶対に許さなかった。休むも、休まないも、全部自分の責任で決めて欲しい、という思いがあった。


休むことにも、学校へ行くことにも、リスクが伴う。自分で決めなかった時に、人の意見で動いたときに、そこでトラブルが起こったら、必ずこの子は人のせいにしてしまう。自分の事なのに、人に責任を擦り付けてしまう。


それはどうしても母の中で許すことが出来なかった。

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