突如転校してきた天才美少女に一目惚れされて、ストーカーされているんだが。

ふおか

天才が転校してきた。

それは突如だった。

予告も無しに転校生が来ることを伝えられた。


そして今、転校生は教室の扉を開け、コツンコツンとそんな歩く音を鳴らした。

クラスのみんなは、その転校生を見て、『き、きれい』と呟いていた。


俺もその転校生の姿を見た。

ふんわりとした雰囲気に髪はストレートの黒髪ロングで顔立ちは女優負けの顔で、整っており、ぱっちり二重、瞳には金色を宿している美少女だ。


みんなが彼女に目を奪われている中、彼女は黒板の前に立ち、口を開いた。


「初めまして!私の名前は冷泉鏡花れいぜいきょうかと言います!よろしくね!」


彼女、冷泉鏡花はニコニコとした表情で自己紹介をした。


…でも心做こころなしか、に見えた。


「冷泉って…あの冷泉家の!?」


クラスの一人がそう言葉を零した。

冷泉家。あらゆる企業を建て、功績を積み、

今では誰もが知る有名な家系だ。


一番気になるのは何故彼女は、こんな良くも悪くもない普通の高校に転校してきたのだろうか?


「ええと…冷泉さんはあの空いている席に座ってください」

「はい!」


そう教師が空いている席を指して言った。

俺の隣の席――というわけでもなく真ん中の空いている席に座った。


まぁそんな、ラブコメのような展開は現実には無いだろう。

もしあったとしても、俺は主人公では無いだろうな。


まぁどうせ関わることが無いんだし、深く考えるのは辞めるか。


俺はこの時気づいてなかった。

彼女の瞳に俺が映っていたことに――――



あれから数日後、今俺は、学校に絶賛向かい中だ。

ほんと、朝は憂鬱でしかない。

しかも月曜の朝。みんな嫌いでしょ?

この月曜の悪魔め!

月曜は怠いんだよ!

……はぁ。

正直月曜日だから以外に学校行きたくない理由があるんだけどね―――――――


「は〜や〜と〜くん!おはよう!」


とそんな声が後から聞こえた。


「おはよう、美波」


俺は後ろを振り向くと、栗色の髪ボブヘアで、黒色の目、顔は整っていて100人に聞いても半分以上の人は美少女と言うぐらいの

早瀬美波はやせみなみがいた。


「もぉ〜なんで先に行くのぉ」

「だって美波、家から出るの遅いじゃんか」

「えぇ、そこは遅くても待つでしょ!私達なんだから!」

「そうだな…次から待つことにするよ。

できたら、ね」

「それ絶対待たないやつじゃん!」

「ははっ、冗談だよ冗談」


そう、彼女は幼馴染である。

家が隣同士、そして親同士の仲がいいというセット付きだ。


「ていうか颯斗、いつもより元気無くない?」

「え?ど、どうしてそう思う?」

「いやぁ〜なんと、なく?」

「なんとなくかよ!…昨日寝るのが遅かっただけだよ」

「ほんと?幼馴染の勘が嘘付いてるって言っているんだけど?ねぇ?」


わお、なんで怒ってるんすか美波さん…

というか、いやなんだよ幼馴染の勘って。

まぁ……元気がない、か……


と、美波は感が鋭いからな、誤魔化さなければ…美波に迷惑かけたくないしね。

あ、いいこと思いついた。


「そういうふうに怒る姿も可愛いね美波」

「………………ふえ!?」

「やっぱりいつも可愛いからかな、どんな姿でも可愛いよ美波」


必殺!とにかく可愛いねと褒める!

これにより美波の‘‘えーちぴー‘‘はゼロになる!

美波は沸騰した音を出したかと思えば、


「もう、颯斗くんのばかぁぁぁ!!!!」


美波は見えない速さで走っていった。

というか、速!美波ってあんな足早かったっけ。

んま、どうでもいいか。

俺は重い足を動かしながら学校に向かった。

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