Secret Story02~ジークフリードep.02~


世闇に紛れ

移動を開始する

ジークとエリスは

リストに会った貴族の

館へと足を運んでいた。


恰好は暗殺者といっていい程の

黒づくめで

二人とも仮面をかぶっていた。


(書斎はどこだ)

ジークのぼそっとした声が

エリスに届く。


(こっちよ。)

エリスに案内され

部屋へと入る二人


(しかし、不用心だな。

こんな書類に契約書まで。

見られる心配をしていないな。)

ジークは、はぁとため息をつき

書類を入れていく。


(だからこそ、悪党なんかと

つるんでいるんでしょう。)

エリスがジークに突っこみをする。


書類を確認し

移動を開始しようとしていた

二人は不意に聞こえた足音に

息をひそめる。


書斎と思わしき部屋の扉があけられると

雷魔法と思わしき

雷撃がジークとエリスへと襲い掛かる。


「チッ!」


ジークはバレたことに焦りを

感じながらも

闇属性と無属性の合成魔法を

発動しエリスを抱え

部屋を破壊し

外へと出る。


(バレていた。なぜ?

エリスがつけられていたか。)


今は考えている暇はないと

結論を出し

ジーク達は貴族の館から離れる。


「も、もういいでしょ!

降ろして!」


領地の境目まで来たところで

エリスがじたばたと動き出す。


ジークはエリスを

片手で抱きかかえるように

していたため

見ようによっては

人さらいに見える状態だった。


「全く。私だって女性なのだから

もう少し気を使って持ってほしかったわ。」

プンスカッと聞こえる程

むくれていたエリス。


「なら、次からはお姫様抱っこで

持ち運ぶとするか。」

ジークの発言にエリスは顔を赤らめ


「な、ななな!にゃに言ってるのかしら!」

アタフタとしていた。


「エリス、お前、怪しまれているぞ。

行動には注意しろ。」

ジークは先ほどの件を

思いだし話題を変える。


「そうね、私のせいだわ。

今後表立って行動するのは控えるわ。」

エリスがしゅんとする。


「なぁ、エリス

相談なんだが。」

ジークは表情を硬くし

エリスを見る。


「な、何かしら。」

エリスも真面目な雰囲気に

緊張した様子を見せる。


「勇者なんて育てないで

私の所に来ないか?」

ジークはエリスを見つめる。


「え、そ、それは。

その。そう言うことなのかしら?」

エリスは顔を赤らめジークを見る。


「どうとらえてもらっても構わない。」


「はぁ、そういうのは

もう少しちゃんと言うべきではないかしら。」

エリスがむっとした表情で

ジークを見つめる。


「さぁな、お前の力が必要なだけだ。」

ジークはプイっと

エリスとは逆方向を向き

すたすたと歩いていく。


「まったく、素直じゃないんだから。」

エリスはジークに見えないよう

少しはにかんだ後

小走りでジークの横へと並び

一緒に歩いていく。


「いいわ。私はあなたのそばにいるわ。

これからの面倒はよろしくね?」


「ふっ、面倒まで見るとは

言ってないんだがな。」

ジーク達は笑いながら

公爵領へと戻っていくのだった。


この時の二人は知らない。

これから始まる悲劇を。


二人は知らない。

裏で暗躍する者たちの影が

既に二人の命を握っていることに。


一旦サクリファイスロード編

ジークは終了です。

次はだれの話か。

お待ちください。


いつもお読みいただき

ありがとうございます。


最近は自分の力不足を

感じることが多いと思っております。


少し原点に立ち

考えながら投稿しようと思います。


皆様にお楽しみいただけるよう

頑張ります♪


よろしくお願いいたします。



  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る