第32話 おいおい、なんで


ダンジョンから出たジークは

茜色に染まる空を見て

夜になってなくてよかったと安堵する。


ルミエラさんの店に寄ろうかと

付近をぶらぶらしながら

帰っていると


「お、若いの。また会ったな。」

出会った男に声をかけられる。


「あ、お兄さん。傷は大丈夫だったの??」


「おう、お前さんのおかげで何とかな。

あの時は助かった。

それより今から少し時間あるか??」

名前を名乗らない男はそう言うと

ジークの言葉を待たず

ついて来いと言わんばかりに

歩き始めた。


よくわからないジークだったが

ひとまずついていく

路地裏の古ぼけた

商店街の街並みに入り

そこからまた裏に入る道を行くと


古い酒場にたどり着いた。


「少しきたねーが中で話でもしよう。」


そう言って鳴らないベルがついている

扉を開ける。


ジークも中に入るが

酒場には何名かの

客がすでにおり

マスターらしき人も

ジークを厳しい目で見ていた。


テーブルのある対面席の

場所へ男は座る

ジークは反対に座り

男からの話を待つ。


待っていた矢先

店内から発せられた殺気に

ジークは反応し

席から離れ

レヴィを構え

片手は魔法が出せるよう

並列魔法を出していた。


「すまんすまん、おい。お前ら試すな。

話し合って決めたろ?」

男は苦笑いをしながら酒場にいる

全員に声を掛けた。


「若いの。悪いな。いや

神出鬼才ワールドオーダーの息子

ジークフリード=アルカナイン?」

そう言いながら不気味な笑みを浮かべていた―。







あれはいつのことだったか

一年経たない前のことだ。

王国の第一魔法師団長が

辞めたと噂になって1ヶ月ほどだ。


俺は親の顔を覚えていない

生まれた場所が

それだけしか覚えていない。


生まれてからの人とのつながりは

血と暴力だけだった。


だが俺には才能があったらしい。

スラムで生まれた

非合法組合、俗にいう

の仕事は大きくなっていった。


首狩りの影シャドーハウント

それが俺の組織。


だが俺はへまを犯した。


敵対勢力に攻撃され

組織の内部にはスパイもいた。

大きくなった組織は

解体や分裂していき

今では少数の悪党になった―。




「おい!!居たか?!」

「いや!!ここにはいない!!」

敵対勢力の構成員に追われ

傷も深くここで死ぬものだと思っていた。


路地裏で育ち路地裏で終わる

まぁ、アリかもな

そんなことを思いながら

走馬灯のようにめぐる記憶を

懐かしんでいた時。


「お兄さん、ケガしているんですか??」

腕っぷしの強そうな男と

優しい顔をした子供が

俺の目の前にはいた。


その子供は

俺に治癒魔法をかけ

話し出そうとするが

俺たちに向かって

俺を追っていた

構成員たちが迫ってきた。


「おいS、たぶんあいつらだ。」

腕っぷしの強そうな男がその少年に呼びかける。


「J、あれが構成員だね。やろう。

お兄さんは隠れてて。」

少年もそいつに話しかけた後

俺に優しい笑みを浮かべる。


二人は次々と

襲ってくる構成員たちを

切り倒していく。


Sと呼ばれた少年の動きや

時折見せる才能の数々

動き回る少年を見ながら

歳にそぐわない程俺は

ワクワクしていた。


何なんだこの子供は

底が見えない。

何をしても適切に対処し

綺麗なカウンターまで決めている。


その時から少年の動きに虜だった。


命を助けられた恩もあるが

俺の心は既に

少年に向いていた。


今まで血と暴力にまみれた俺の世界に

優しさを与えてくれた少年。


この子の手足となり

力になってみたい。

そう思うと同時に

これからどうすればいいか

俺は考えるのだった―。




「ん、、、、えてる?」

不意に聞こえた声に

過去から戻される感覚がする。



「お、悪い悪い。

あの時のことを思い出しててな。」

男は不気味な笑みを続けたまま

言葉を紡ぐ。


「お兄さんは結構知っているみたいだね??

僕に何か用があるの?」

少しの殺気と圧力を混ぜた威圧感に

男は冷や汗を流す。


「イザークだ。要件は

君を見越してだが

交渉をさせてほしい。」

顔の前で手を組み。

ジークを見る目は鋭かった。


「我らをに加えないか?」

急な発言にジークは驚いていた―。



話が下手すぎて

自分の思うように

繋げられなくて悔しいです。

成長あるのみですね。


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昨日初めて一日4000PV超えまして

非常にうれしいです♪


今後も頑張ります!!





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