クラスの根暗美少女が私に友達の証としてキスをしてくるんだが??

心晴

第1話 友達の証

私こと、秋山あきやま 日彩ひいろは自分で言うのもあれだが…陽キャの部類に含まれると思う。


友達も多いしクラスでもそこそこの立ち位置に居て楽しく生活しているんだが…最近クラスの根暗美少女が私によくデレてくる…。


「日彩、もっと抱きしめて?」

「あ…うん、いいよ」


こんな感じで根暗美少女の名雪なゆき 深冬みふゆは私にデレて来ているが…そもそもこの子、私以外には全く話そうともしないし、話してる所なんて見た事もないのに何故か私にだけ甘えてきて調子狂う…。


「……深冬って、何で私には普通に話してくれるの?教室でももっと人と関わればいいのに、深冬可愛いんだし」

「…日彩以外に話す必要性を感じないし、私が話したいと思ったのは日彩だけ」


深冬は少し照れくさそうにしながら私に返事を返した。


私には相当心を許してるって事だろうか…よくわからないけど、まぁ…悪い気はしないし…いいか、でも私にだけ心許しすぎじゃない?


「話変わるけど、日彩…他の人とハグした??」

「え、なんでわかるの?…少しだけしたよ、友達だったし別に普通だと思うけど…」


別に普通のことだと言うのに…深冬はムッとした顔でこっちを見てきて、不機嫌という事が丸わかりだった。


別に、ハグくらい普通だよね??友達なら…ね?


「……日彩……して」

「…?…なんて?」

「……キス…して」

「ん!????」


ビックリして過剰に反応してしまったけど、妥当な反応だと思う…だって、キスなんて…なんで求めてくるの…??


「えっと……深冬は、何でして欲しいの?」

「……別に…友達ならする事もある」

「世間一般ではしないと思うけど!?」

「……いいから、して」


私に拒否権は無いらしい…彼女なりに友達らしいことしてみたいのかも知れないけど…これは少しズレてる気もする。


まぁ、するしかないみたいだし…ホント仕方ないなぁ…するよ…。


初めてを深冬にあげることになるとは思ってなかったけど、キスは良い感じだった…互いに溶け合う感じでとろけそうだったし…私中々キス上手いのでは?初めてなのに、中々上出来だった。


「……これが私と日彩が友達って証だから…私以外としないで」

「友達の証がキスは少しズレてない?」

「……日彩は嫌?」

「……まぁ、いいよ」


キスが友達の証なんて、割とズレてるし…だいたいそういうのは恋人とするものなのに…まぁ、深冬がそうしたいなら…否定はしないけど、私達恋人とか作れなくなりそうだな…私は恋に興味ないからいいけど。


「深冬、そろそろ…教室戻ろ」

「……もっと一緒に居たい(小声)」

「?」

「何でもない…行こ」


なにか言ったような気もしたけど、深冬が何でもないって言ってるし…特に気にせず教室に戻った。


冷静に考えて…親友でも友達の証としてキスなんてしないと思うが……深冬、恋とか興味無さそうだし…ほんとに友達の証だったんだろうな。


そんな感じで、さっきのキスの意味を考えながら教室に戻った、その間深冬の顔を見てみたけど…少し赤いような気もしたけど…すぐ普通の顔に戻ったから…多分私の気のせいかな。

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