やわらかな想い

 先輩は、わたしの憧れでした。

 先輩のこと、ずっと見てました。


 その想いを告げなかったのは、先輩の隣に いつも あの人がいたから。


 この想いを わたし自身 認められなかったから。

 この思いを 先輩に 知られたくなかったから。



 それは、羨望?

 それは、嫉妬?


 先輩の隣に立てない わたしの気持ち。



 先輩をいつも目で追っていました。

 先輩の走る姿がカッコよくって。


 白い半袖シャツが まぶしくって。


 短く整えられた髪

 細い手足 スラリとした体躯


 高くはないけど 真っ直ぐな背は

 猫背の彼女と 同じくらいで


 卒業したら きっと もう 見れなくなる

 先輩のスカート姿を



 ……わたしは、今でも 思い出します。

 先輩と同じ制服を着ていた あの頃を。





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