珠を引いて

石崎あずさ

第一問 弾き始め




「そろばん」それは戦国時代に日本に伝わったとされる計算器具である。

そのそろばんを使い、古来の日本人は数々の問題、難問を解決してきた。そんなそろばんを俺は小学六年生まで習っていた。


俺はあの日から...そのそろばんを気づかずに使っていた...




ー出会いー

俺の名前は「梁野悠木やなのゆうき」。高校一年生だ。

俺はそろばんを小学六年生まで習っていた。

だが俺はやめてもそろばんは俺から離れなく、放課後に隠れて練習を重ねている。

確か位は...だったっけか...

でもその日は教室が先生たちが使うらしいし...図書室で変わらず勉強をするか...


橙色の夕日が窓から差し込む。

だけど図書室に入ってきたとき、聞き馴染みのある音がした。

「パチパチパチパチ」

(ん?これは...そろばんの音か...)

そして図書室の椅子と机があるところを見ると...


一人の女の子がそろばんをやっている。

黒髪ロング...黒いつぶらな瞳...

俺は同業者などには声をかけるタイプ。だけど普通に行くには行きづらかった。


(あ...悩んでる。)

俺はひそかに級を見ようとした。

この桁数...七段か?

俺は声をかけた。

「君。ここは大還元しないと解けない問題だ。」

「あ...ありがとうございます。」

可愛らしい声を見せた。そして彼女が解き終わった後俺は話しかけた。

「俺もそろばんやっててな。いつもは教室で練習してるんだが...今日は教室使えなくてここに来たんだ。」

「そうなんですね。教えてくれてありがとうございます。失礼なんですが...何段ですか?」

「一応...九段。」

「九段!!!???すごいですね!」

「いいや。それほどでも」

俺は会話を続けた。そして彼女は最後にこうはなった。

「今日、一緒に帰りません?」

え?



ー帰宅ー

帰り道が一緒で帰ることにした。

「今日はありがとうございました。お名前、なんていうんですか?」

「梁野悠木、高校一年生です。」

「私は木野美珠きのみすずです。同学年ですね。」

「とりあえずこれ。連絡先。いつでも掛けていいよ。」

俺はページをちょっと破ったノートにペンで電話番号を書いた紙を渡した。

「分かりました。ありがとうございます。」

その日はこれで終わった。



ー家でー

にしてもあの子可愛かったな。

俺のタイプにぴったり。

・黒髪ロング(縛りなし) ・黒目 ・ぱっちり目 ・敬語 ・絶壁

完璧すぎる!!!

もうあの子にこと考えてるともうほんとに...ほんとに...

こ...

「悠木!ご飯できたわよ!」

なんだよ。最後まで言わせろよ。金太郎...どうしてくれんだ。

「コラ!作中で作者の名前言わないの!」

「なんで聞こえてんだよ!」




ー美珠宅ー

今日なんかリビング暑いな...

「お姉ちゃん?なんでそんな顔赤いの?」

「なんでもないよ涼花すずか!ちょっと暑いだけ!エアコンでもつけようかなー!」

「お姉ちゃん。」

「なに?」

「お姉ちゃん好きな人できたでしょ。」







「...うるさい...」


つづく

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る