硝子の棺

ムラサキハルカ

ガラスケース

 透明なガラスケースの中で少女が何度も何度も拳を叩きつけている。分厚いガラスに叩きつけられた部分の肌が赤くなるのを、海藤かいどうは、ただただ見ていた。とはいえ、いかにも気の強そうな三白眼でガラスの外を睨んでくるのは、実に好みだった。

 薄茶色のブレザーに赤いスカートを合わせた制服を着た黒い髪の少女。実にいい掘り出し物だったと海藤は我ながら感心しつつ、少女の険しい眼差しに期待を膨らませた。


 

 

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