第5話 魔法と魔力

「前にもやった記憶があるんだけど」


「アラン君、復習だよ」


 まあ、復習は大事だけど早く使いたいな


「魔法を使うには魔力が必要なのは教えたよね」


「うん、森羅万象、ありとあらゆるものに魔力が流れているのは覚えてるよ、それと魔法は魔力を体の外に出すことだって」


 この人は父と母と違い、まともな常識人だから信頼できる。いや父もまともと言ったらまともか


「あと、魔法を使う時、大切なのはイメージ、その次に魔力の質と量だって教えたと思うんだけど…」


「魔力がどうこうよりイメージがないと話にならないって」


 イメージは多分前世のアニメや漫画の知識でいけると思うけど、魔力か


 魔法を知ったのは二年前、フォルティスさんがこの村にやってきた時だ、家には魔法に関する本がなく、てっきりこの世界にはないのだと思っていた。しかし二年前フォルティスさんが来た時にそれを知った、最初は練習しているのを遠くから眺めるだけだったが…ある日目が合ったので魔法の使い方を教えてほしいといったのがきっかけだった


「その通り、イメージがないと魔法はうまく発動しない。次に魔力の質と量についてだ」


 この人は教えるのがうまい、本当にDランク冒険者なのか怪しくなってしまう

 この世界には冒険者が存在し、もちろんギルドもある。冒険者にはランクがあり上から、S、A、B、C、D、E、F、と七つありフォルティスさんは下から三番目のDランク冒険者だ。昔はSSSやSSとかあったらしい


「魔力は量が多いほどいいけど質も重要だよ、100の魔力を込めて撃った魔法と150と同等の質をもつ1の魔力の魔法がぶつかった場合とっちの魔法が勝つと思う?」


「後者、100より150の方が強い」


「よしよし、正解だよ」


 頭を撫でながら言ってくる…正直恥ずかしい


「それにしても驚きだな」


「何が」


 俺に驚くところもクソもあるのか


「だって普通は五歳で数字を理解しないし僕の言っている言葉の意味をここまで理解しないからね、毎度毎度世界は広いって実感させられる」


 しまった、もう少し子供っぽく振舞えばよかったのか、だけどこの年齢でそれをするのは恥ずすぎる


「あはは…それより早く魔法を教えてよ」


 前世から漫画アニメで憧れたからな、使ってみたい


「それじゃ、いつも通り僕が魔法を使うところを見てね」


 またか、フォルティスさんが魔法がつかっているのを見るだけ、最初はスゲー!って興奮してたけど慣れてしまっては退屈だ。いつも通りのウォーターボールかって…

 フォルティスの全身、いや周りにあるものが黄色く光って見える。フォルティス…すごい、周りの植物や建物そして冒険者とは比にならないレベルで光ってる。綺麗

 手にどんどん黄色いのが集まっている。そして青色に変わり、杖へ伝って

 ウォーターボールが杖から発射される。


「フォルティスさん!今の黄色く光ってたのはなに!」


「それが魔力だよ、今まで君に魔法を見せていたのは魔力を感知させるためだったんだ」

 

 待てよ、その場合…


「さっき、周りの建物や植物、人も黄色く光ってからもっと早い段階で感知できてもいいと思うんだけど」


「弱い魔力じゃ意味がないんだよ、魔法のような強い魔力じゃないとね」


「はえ~確かに」


 確かにそこら辺の植物の魔力も感知できたらこの世は魔法使いだらけだろう


「黄色くか、普通は無色の白く見えるはずなんだけど」


「どうかした」


「いやなんでもないよ、それより魔法を使う瞬間魔力の色が変わらなかったかい」


「変わった!変わった!青くなってた!」


 少しづつ変わっていのを確かに見た!


「水になったんだよ」


「水になった?」


「そう、どういった原理かは不明だけど、イメージして魔力を外に放った瞬間水になったんだ」


 この世界の物理法則はどうなっているんだ、そこは異世界クオリティーということにしておくとして


「ちょっと暗くなってきたね、そろそろ帰った方がいいよ」


「帰るよ、それとフォルティスさん」


 これだけは言っておかないと


「どうしたのアラン君」


「俺はいつか、あんたを超えてみせる」


「ふふ、そうか…ならその時を楽しみしておくよ、それじゃまた明日」


「うん、バイバイ」


 俺はフォルティスさんに手を振って家に帰った。


 




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