第12話

ダァァァン!


中村の首の横には桜野の腕があった。

これは剣で串刺しにするときの…

ではなかったらしい。


「はわわわわ、私は中村先輩に壁ドンを…」


「もしかして桜野…俺の事が好きなのか?」


「はっ、はははっはぁははははははぃははぃはははい!」


「あ、ごめん。俺好きな人いるから。今からその人んとこ行ってくるから。じゃ」


「えあえあえうえぁおあえ?」


すんなり桜野の恋は終わってしまった。

ヘタァと床に倒れこんでしまった桜野であった。


中村はそんな桜野にドン引きしてしまったようだ。







「今から、魔法科を始める!」


ワァァァァァアア!!!


大きな歓声で会場中がうるさいほどになる。


「最初は碧選手対、山田選手!」


碧が会場に入る。

相手は震えている。

朔にも勝った青と対戦と言えばそりゃあ震えもするだろう。


山田やまだひで

戦いではそこまで強くないが、研究し尽くし、攻撃を読まれて対策されて負けてしまう選手が続出している。


「では、開始!」


「『スキル』【スピードダッシュ】」


「スピードダッシュしたところで何もかんけーねーよ」


先ほどの山田とは思えないほどに覚醒している。

山田は対戦に入ると覚醒するタイプの人間らしい。


「【ファイアーソウル】」


「えまちょまってえ?待って何で中村さんの魔法を碧が…」


「【ファイアーソウル】×2」


「ゑ?」


山田がファイアーソウルに飲み込まれていく。


一瞬だった。


「勝者は碧選手!」


拍手と黄色い歓声が飛び散る。


「あの山田を打ち破ったぞ!」


「碧…やっぱやべぇな…」


歓声の中にはヤバいとつぶやくだけのものもいた。


そこからほとんどファイアーソウルで瞬殺していくだけの対戦だった。

アイツと戦うまでは…


「最終戦です!碧選手対朔選手!」


「では、始め!」


「朔との再戦か…【ファイアーソウル】×【春夏秋冬】!」


「くっ!」


流石は朔。

すべて受け止めた。


とココで朔の説明をしよう。


山崎やまざきさく

彼は切れるとすぐに切れさせた奴を殺そうとする。

すぐに切れるのである。

小学生の男子みたいなものだ。

だが実力は確かなものでとても強い。

だが一度碧には負けている。



碧はひたすら【ファイアーソウル】×【春夏秋冬】を放ち続ける。


それを朔はよけ続ける。


「ピー!守備科のように、魔法科を碧選手。援護科を朔選手とする!」



その言葉に碧はこう答えた。


「了解しました。でも朔選手はどうですか?」


「俺は別にいいよ。援護なら得意だ」


「では、魔法科を碧選手。援護科を朔選手とする」


拍手と歓声が鳴り響く。


これでパーティーは決定した。


情報課の園田そのだめぐみ

守備科の花岡はなおからい

アタッカーの金田かなだしゅん

剣士科の日南田ひなだ中村なかむら

魔法科の春先はるさきあお

援護科の山崎やまざきさく


この六人の青春が今始まる!

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