王子さま。その2

「おれは、王位なんて、どうでもよかった」


 そう、あなたは言うけれど。


「でも、おまえが手に入るなら、

 おまえがそれを望むなら。

 おれの体に流れるこの血を使ってやろうって、気にもなるぜ」


 王様の気まぐれに立腹していた、あなた。


 あなたの母親は、王様の気まぐれで あなたを身ごもった。


 それ故に、王宮を辞すしかなかったメイドあなたの母親

 町の外れで、あなたを育てた。


 元メイドあなたの母親は決して王様を悪くは言わなかった。

 それは、密かに王宮から 年に数回 あなたを育てるための援助がなされていたから、というのもあるでしょうけど。


 

 突然知った出自に憤慨して、

 王位継承権なんていらないって言っていた あなたが それに興味を示したのは……。




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