第20話戦い8




夕食のバイキングに間に合った。

無料で食い放題。


あれ、家族連れが違う方向に行くぞ。


あ!廊下の矢印に洋食『ルページュ』、和食『雅』、中華『満月楼』って書いてあった。

なんとなく一緒について行った。


ああ、本格的な店だぞ。


「予約の方ですか・・・」


あ、店の人だ。


「予約はしてないのですが1人なら、料金はいくらになりますか」


「ピンからキリまでありますが、おススメコースで15,000円があります。明日なら予約を承ります」


「そうですか・・・・・・ちょっと考えます」


もう、顔を真っ赤にして逃げた。

予約しても大丈夫だけど・・・問題があった。

マナーなんか全然知らんよ。

恥をかいてまで食う気になれない。


やっぱバイキングコースがいい。

好きな物が一杯に食べられる。


昼の弁当は、半分だからペコペコだ。

沢山のおかずとパンと味噌汁だ。


モグモグと食べだす。



「あれが地下5階で倒した奴か、若くないか・・・・・・」


「なんでもカードマスターでゴブリンを連れ回してるらしいぞ」


「あの弱いゴブリンで、5階の炎のモンスターをやっつけたと言うのか・・・嘘だと言ってくれ!」


「声が大きいって」


誰かが俺の席の横に来て動かない。

誰だと見上げると南曹長だった。

間近に見ても美人だ。


「なにか・・・・・・」


「あなたが山田ね。動画を見せてもらったわ。あれは普通じゃやない」


「え!普通です。あの方法しか知らないので」


「わかったわ。明日の探索で証明して、あの1回の戦闘では理解不可能よ」


ああマジかよ。

俺も最近になって、おかしいと思うようになった。

数日で自衛隊が討伐出来ないモンスターを討伐した。

これって変だよ。

モンスターに原因があると思うのだが、どうなんだろう。





朝早く1階のコンビニに行くためにエレベータの乗った。

1階でドアが開く。


なんで自衛隊が整列してダンジョンへ次々に入っていく所だった。

その数100人以上。

外は暗いままだ。

スマホの時計は、4時55分。


自衛隊って、こんなに早くダンジョンへ入ってるんだ。

知らなかった。



俺は、コンビニに寄って弁当を8つ、お茶2リットルを2本買って出た。

え!あんなに居た自衛隊がいない。

なんて早いんだ。


俺も急いでダンジョン出入り口に行った。

またも自動に開いたので入る。

階段もタタタタと駆け下りる。


今回召喚するのは、ゴブリン達だけだ。


「召喚」


オークが足が遅過ぎる。

5階までオーやクーは、なしだ。


「5階の安全エリアまで走るぞ」


「ギャー、ギャー」


「ギャー、ギャー」


「ギャー、ギャー」


「ギャー、ギャー」


走り出したので、俺も走る。


「ダダダダダダダ」と遠くで銃声の音だ。


気になるが仕方ない。


あ、自衛隊だ。

無視して走る。


「何か走り抜けたような」


「冗談はよせよ」


え!分からなかったのか・・・まあイイや。


地下2階まで戦うこともなく到着。



ここにも銃声の音が響く。


最初に命令のまま走りだすコブリン。

その後を追い駆ける。


とうとう戦いが始まったが呆気なく終わる。

もうオークに対しての戦い方を覚えたように連係が凄い。


そして魔石も回収してくれるとは、思いもしなかった。


「ありがとうな」


腰を低くしてリュックに入れてもらう。


戦いは何度も起きた。

呆気なく終わって回収も早い。


自衛隊の「ダダダダダ」と時たま聞く。

自衛隊もガンバのようだ。



3階も順調。




4階は、リーゴの植物が成長するまで待って戦いを開始。

それまで鉄球を避けて防戦だ。

ユミだけが鉄球持ちを狙って仕留める。


中々良い作戦だ。


5階で安全エリアでオーとクーを「召喚」



最初の戦いでクーが激突しながら雷撃をぶち放つ。

なんとラッキーなことに、遅れて来た青い火の玉にも雷撃が当たったよ。

めちゃ効率が良いぞ。



2回目も同じパターンだ。

しかし、青い火の玉は遅過ぎた。


だけどクーは、走り雷撃の2度目を放つ。

呆気ないように戦いは終わった。


これって必勝パターンだ。




クーが「ドンドン」と走り盾持ち2体と衝突寸前で雷撃を「バチ、バチ」と放つ。

盾は金属だから電気は一瞬で流れる。

腕には軽い熱傷が発生。

心臓は止まって感電死して、そして消えてゆく。


絶妙な電気量だ。


後ろのオーク達も空中から雷撃が襲った。

同じ症状で一瞬で倒れて、消えてゆく。


青い火の玉にも雷撃は、流れる。

その一瞬の苦痛で消えた。



そんな魔石だらけの先に「階段だ」


この階段を下りるか・・・・・・

これって人類未踏の領域に間違いない。

そんな大それたことを俺がやって良いのか疑問だ。



リンが俺の目の前に立った。


「え!何かようでもあるのか」


リンの手にモンスターカードあった。


マジか・・・・・・


その絵柄は、青い火の玉だ。


裏側を見る。



HP10

MP60


火魔法(青い炎)



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