因子録~崩壊する運命の中、命を繋ぎ最強へ~

春音

第一章 仲間と共に

第1話.絶望の前触れ

思い出すこととなる。そう、一週間前の幸せだった頃の俺の記憶を・・・


現在は西暦3058年2月5日

俺の名前は「天満葉雨あまみよう」そんな俺はしがない高校2年生の17歳である。

俺は徳島県の高等学校2年4組の生徒で、現在やっとの思いで2学期を終了する時期に入ったところだ。


突如として4時間目の授業が開始されると同時、警告音に似た音が突如教室の空間をこだまし、辺りを困惑に導くこととなるだろう

その音は先生が使用する授業用タブレットから教室中に鳴り響く。

そして、そのタブレットからは野太い男の声から、たった一言発せられた。


「人間は未来に前進することはできない」


辺りに響くその声からは恐怖を連想させられ不気味に全員が感じ、困惑し、唖然としていた

当然の事だ。急に意味の分からない言葉がタブレットから発せられたのだから

その後、冷静さを取り戻したクラスメイトからを発言をする余裕ができたのか笑いながらも変な冗談を言う


「なぁ皆、先生のタブレットから変な音がしたってことは先生が変なもんでも学校のタブレットで見てたんじゃね」

「それならそれで滑稽だぜ」


その発言に対し「もしかしたら本当にそうなのかも」と大声で言う奴も出てきて、いっきに教室中が騒がしくなる。

だが、もちろん先生にはその心当たりがなく、「違う違う」といったように必死に否定していた。

その様子を通目に見ていた俺はクスクスと笑っていた。

あ、俺は何を考えてたかとというと先生が変なものを見てるんじゃないかと当たりをつけていた中の一人だ。

その後、先生は怒りながらも皆に落ち着くように声掛けを行い腹を立てながら強く言葉を使ってくる


「静かにしなさい!」

「私は他の職員に何があったか聞きに行きますからね!」


そして、先生は何があったのか聞きに行くためにも職員室に向かって扉を強く閉め出て行ってしまう。

その扉を閉める様子からは、まさにダメ人間というのが容易に想像できてしまう

瞬間俺は、背中側から何者かに後ろから抱き付けられるような形になってしまう

俺はそんな誰かに抱き着かれた瞬間驚きながらも後ろを振り返る


「なぁさっきの先生のタブレットから出た音についてだけど、天満はどう思う~?」


ぶっきらぼうにそう聞いてくるこいつは「三角康太みかどこうた」と言う昔からの幼馴染であり大親友だ。


「どう思うって?てか、それよりもスキンシップや~め~ろ!」

「いいじゃん、いいじゃん俺らの中だろ~もうすぐクラス変更も行われるんだからさ~」


そんな冗談を言っていたのだが、あたりは「シーン」と静かになる。

誰かが静かになり、空気を合わせまたしても誰かが静かになりといったように電波し、全員が静かになったのだ。

静寂の中、俺はまたしても先ほどの声を思い返してしまう。そんな想像を行っていた時体中が寒くなり鳥肌が立ってしまう

未だにその鳥肌に対する原因は分かっていないが多分だがこの先起こる恐怖に対しての身震いだったのかもしれない。


なお、その音声が鳴り響いた約1時間後の事だった。

警察が突然学校にやってくることとなり、その警察が言うには先ほど先生のタブレットから鳴った謎の音声は先ほどと同じようにして世界中のインターネットからも鳴り響いていたとのことだった。

そして、インターネット関連の物が一瞬にして全部がハッキングされジャックされたのではないかと予想を立てていると警察は言う。

その言葉に対して俺たちは苦笑いを浮かべながら。


(んな事あるわけねぇだろ。)

(インターネットの全ハックなんてできるわけがないんだよなぁ~)


だの、適当なことを思い浮かべている。

だが、実際に音声はこの教室にも流れて来た。それだけでも、信憑性は十分あるのだが科学的に不可能であることのため教室中のだれもが耳を傾けない

いや、耳を傾けていたとしても内心は馬鹿バカしいと思っていた事だろう

その後はというと、教師からは一時的に学校の体育館にて落ち着いて待機してくださいと校内放送から伝えられ、俺らは保護者が学校についたものから先に家に帰ることとなった。

家のニュースを見てみると、テロ集団が大規模ジャックのようなものを行ったと発言していた。

俺はこの時点で異変を感じて早急に何かをするべきだったようにも思えるが、俺はその後もベッドの上でスマホを触りながら康太と一緒にライン通話などを行っていた。


「早く学校終わってよかったな~」

「だよな~まじ最高!」

「そういえばなんだけど天満~知ってるか?2日間学校休みだってよ!」

「まじかよ。そんな大変な事だったのか?」

「お前なぁ~ニュース見たか?」

「見た見た!」


そんなことを言うと康太はあきれたようにしてため息をつきながら説明をしてくれる


「ニュース見たならわかると思うけど、こんな大型ジャック何って今までになかった事例だ。そこで、警察はそのテロ犯の犯行予告だと思ってるんじゃねぇーのか?だからこそ、大事件と認定し早急に調査を開始してると思うけど」


アイスを食べながら俺も康太に対して自分の考えを言うこととした。


「そもそもの前提として、大型ジャックっていう事例がおかしくないか?日本中ってなら、新高性能機械でもしかしたらの可能性でジャックできるかもしれねぇが世界中だぞ。その時点であからさまにおかしい。康太はさ、ニュースの事をマジで信じすぎだよ

警察や政府はすぐに嫌なことがあれば隠蔽したがる。俺はさあんましニュースを信じ込まないほうが得策だと思うぜ」


そんな話を適当にしながらも怠惰に過ごしていた2日が経ってしまい俺は学校に駆り出されることとなる。

登校中俺は独り言をマイナスな感情を何度も呟いてしまう


「あ~学校やだぁ」

「あ~しんど」


そんな、学校に対する負の感情がどうしても沸き上がってしまう

その後は、俺は学校に付き。授業の支度を始めることとなり、いつもと同じ平穏な日常を送ることとなる。

学校内で、急に康太は俺に対して色恋話について聞いてきた。

言ってなかったが、俺には好きな人がいる。相手の名前は「みやび出雲いずも

彼女との関係はというと俺からの一方通行の恋なのだがどうでもいいだろう。

俺の性格上、あまり女子と話すが得意ではなくそこまでの関係は築けてはいないのだが、一目ぼれという形で彼女の事が一方的に本当に好きになってしまったのだ。


「天満もうすぐ2学期が終わるけど雅に告白しないでいいんかよ?」

「する気だよ。だけど、今どきどうやって告白するか何ってわかんねぇし」

「お前そういうところは意気地なしだよな」


そんなしょうもない言い合いをしながらも授業が始まってしまう

まぁ実の事を言うと俺は3学期になる前には告白をする気なのだ

出雲は限りなくこの学校では優等生に部類される人物だろう

例えばなのだが彼女はすぐに困った人間に手を指し伸ばし、さらには顔もよく育ちもいい

これらの事柄も相まってこの学校ではかなり有名の人物となっている。

まぁなんだかんだ言って俺もこのクラスでは二軍男子と言われるような部類にはいるのだろうが、どうにも女子の扱い方がわかってい事もあり結構女子には嫌われている部類に入っている

そのうち時が進み先生が教室に急に入ってきて「これまでと同じように授業を行う」といったように言われ、一旦は状況の説明が行われることとなった。

授業が終われば一部の男子集団が机の周りに集まってくる中俺は「だりぃ」だの適当なことを言っている。

俺は学校内で康太と一緒にゲームの話をしたりノートを貸してもらったりしている時であった。

康太が急に会話の論点をずらし3日前の音声についてまたしても聞いてきた

どうやら康太にとってあの音声は違和感を感じるものであったらしく気になっているのだそうだ

まぁそんな事に対して俺自身興味はなかったため、そこまで深くは聞いていなかったのだが真隣から言葉を発せられることによって3日前の音声について興味が出てきてしまう

その真隣から聞こえてくる声の正体は出雲であった


「ねぇ、」


肩をつつかれる


「ん?どうした」


俺は振り返り、淡々と答える。

冷酷と思われてしまったかもしれないと考えていた時に質問をされてしまう


「その音声の事なんだけどさ、天満とかはどう思ってるの?」

「え?別に。ただたんにあからさまに謎だなって思って。その正体について予想してただけだよ。」

「そう、なんだ・・・」


多分なのだが、俺と康太が3日前の音声について話していることに気づき少し気になったから聞いてきたのだろう

俺はその反応に対して気にも留めてなかったが、その静寂の空間の最中康太が出雲に対して突如として質問することとなる。


「雅さん何かあったの?」

「あーいや、まぁそこまで大きなことじゃないんだけどねお父さんが警察と事情聴取をしたりしてたから心配になったから聞きたくなったんだよね。ありがとう」

「どういたしまして~なんかあったらまた聞きに来るといいよ~」


そんな会話を彼女と行う。彼女の父親はというとテレビ会社の人間なのだ。だからこそ、多分だがなんらかの事情が絡まり警察といろいろ話していたのだろう。


(にしても父親を心配って、何かありそうなもんだけどな・・・)

(普通に考えたらなんで出雲自身が父親の状況知ってんのかな・・・まぁいいか詮索するようなもんでもねぇしな)


そんなことを考えながらも学校が終わり下校時間に入る。幸い俺は帰宅部というこの世での至高の部活に入ってるため早く帰れるのである。

正直最高だ。

そしてその後も何かがあるといったようなことはなかった…

と思っていた


毎日を普段通り過ごしていた。

あの音声が鳴ってから1週間が経った現在は2月12日だ。


そろそろ俺は出雲に告白しようと思っているのだが、今頃そうやって告白すればいいのかが全く分からない。

なんせ、俺自身スマホで告白するのはなんか違うなって思っている人間なのだが、現実でもどんな風に言えばいいのかいいのかがわからない。

正直俺はベターな展開というのが嫌いなのだ。だが、ほとんど出雲との関係が気づけていない今俺はどうしていいかわからない状態になっているのだ。

ちなみに康太に相談したところ、出雲とよく一緒にいる「式織雫しきおりしずく」に相談するのが一番正解の選択肢だと言われた。

ただ、式織と会話すると毎回煽ってくる。

俺は彼女に相談すると何って言われるか容易に想像ができた。


(式織教えてほしいことがあるんだけど・・・)

(へぇ天満君は出雲が好きなんだ!出雲にそう伝えてくるよ~バイバ~い)


最悪な想像が頭をよぎる。もしもだが、想像通りになった場合なのだが俺は多分だが自殺する羽目になるだろう・・・

だって、そんな事を拡散された場合俺はどの面下げて学校に行けばいい何って分からないのだから

そんな意味のないことを給食前の授業で考えていた時、あたりが一面暗くなった。

何分だろうか・・・

否・・・数秒だ。そのあたりが暗くなる光景がものすごく俺の中で長く感じたのだ。

すぐさま太陽の逆光があたり一面を晒し光が教室中に反射する。

もちろん俺含め生徒全員が困惑すると事となる。

困惑と共に恐怖があたりを埋め尽くし、叫び声や生徒が叫ぶ声などがそこら中から聞こえてくる。

俺は先生のもとへ行きどうするのかの指示をもらうことにした


「先生、俺たちはどうすれ・・・」

(キーン)


ものすごい耳鳴りと共に鋭い耳が裂けるような金切り声があたりを支配する事となるだろう。

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