叶わない

涙目の女の子が駅で突っ立っている。俺は近づいて、その子に声をかけた。

「お茶しよ」

女の子は俺を見ると、ポツリと呟いた。

「丁度良かったわ、デートドタキャンされたばかりなの」

「別れなよ、そんな奴」

「私は好きだから嫌よ……邪魔しないで、兄さん」

 ……分かったよ、俺の初恋さん。

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