第4話 徐々に…

彼はとても優しく大切にしてくれていた。

彼氏がいるという事にも慣れてきた頃。


当たり前にキスをして関係を持った。

友達と可愛い下着を選んで買ったりメイクを練習したり。

楽しかった。


ある時女子トークで何気なく結婚とか子供の話になった。


ふと思う。

結婚か…子供ね…


いつかはするだろうけどいつでもいいかな。

子供は産んでも2人?

別にたくさん欲しいわけじゃない。

彼はどうなんだろう?聞いてみたくなった。


学校からの帰り道。


「ねぇ。高校出たらどうする予定?」

と聞いてみた。

「動物のお医者さんになりたいな。一緒に専門いかない?」

「えっ」

「考えといて!」

「うん。あ、結婚とかは?考えたことある?」

「え?俺とする気ないの?笑」

彼は私と結婚したいと言っていた。

一個上のお姉さんには報告してあるらしいし

親にも彼女が出来たことを言ったら家に連れて来たら?と言われているらしい。


私はまだ結婚を考えていなかったし親にも言ってなかった。

だけど結婚したら家を出て好きな人と一緒にいられるなぁ。なんて夢のような気持ちになった。


付き合って3ヶ月くらい経った頃

周りの子が3ヶ月くらい経つと飽きるとか色々言っていて理由なんてないけど別れた方がいいのかな?

もう潮時?ここから飽きられちゃう?とか不安になってきた。

本当なんであんな気持ちになったかわからない。

今でも理解できない。

喧嘩したわけでもないのに優しくなくなる恐怖で別れたくなる。

だから無性に何かを試したくなりある嘘をついた。


「あのさ、生理が来ないんだよね」


しばらく沈黙が続いた。


「え?何?避妊してたよね?」

「してても失敗する事あるよね?」


生理は来てた。

乱れる事もほぼない。

ただ、

本当?嬉しい。けどこれからどうするかかんがえないと。でも嬉しいよ。


こんな反応が欲しかっただけ。

そしたら違ったみたい!生理きたよ!で終わる話だった。

だけど…


「ちょっと待って、震えが止まらない。」

「無理だって…」

などを顔面蒼白な様子でつぶやいていた。

私の方を見ようともしない。


一気にダメだ。と思った。

涙が勝手に流れて

もう別れたい。って言って走って逃げた。


身体中から拒否反応と

別れを感情のまま伝えてしまった事。

実は自分もかなり好きになっていた事。


家に帰ると感情が爆発して声をあげて泣いた。

涙が止まらない。


しばらく本当にきつかった。

同じクラスなのに会話はなくなった。

周りの子にどうしたのか聞かれるのが嫌だったし、向こうが聞かれているのも嫌だった。


学校ではなんともないふりして強がって、

家で夜になると優しくしてくれた思い出が溢れて涙が止まらなかった。


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