社畜、冥層主を倒す 前編

 配信にフィルターを適用し、蔓延っているモンスターをスパスパ切り裂きながら洞窟内を進んでいく。

 出てくるモンスターは蜘蛛ばかりで、蜘蛛以外のモンスターは出てこなかった。ここの層主も蜘蛛で間違いないだろう。


 それだったらこいつらは子蜘蛛って可能性もあるのか…流石にダンジョンから生み出された蜘蛛と信じたいが……どちらでも問題は無いし、まぁ大丈夫だろ。

 それに蜈蚣神もあるし、ここまで楽に進めるのはこいつのお陰だな。


 蜈蚣神の伸びる歯の付いた刀身により、天井や壁に張り付いている蜘蛛を一掃することが出来るお陰で速度を落とさずに進み続けることが出来ているのだ。

 オマケにかなり丈夫であろう蜘蛛の皮膚も、蜈蚣の脚のような歯で楽に切断できる。しかし切断面は粗く、かなりグロい。リスナーが吐きそうになるのも納得だった。


 しばらくモンスターを切り裂きながら進み続けると、明らかに層主部屋と言わんばかりの雰囲気を放つ、どでかい鉄扉を見つけた。近くに寄ってみると、更にそのデカさを実感する。

 高さは…10m程だろうか、見上げ無ければ一番上が見えない高さだ。


《おぉ!層主部屋か?!》

《ワクワク》

《でっけぇ扉》

《初の冥層主…どんなやつなんだろ》

《蜘蛛いっぱい出てきたし蜘蛛じゃね?》

《絶対キモイ》


 コメント欄は初の冥層主に胸を踊らせているみたいだ。コメント欄を確認した俺は重い鉄扉を押す。徐々に扉は、地面を擦るように開いていく。

 完全に扉は開くが、中は暗い。恐らく部屋に入った途端に明かりがつき、層主が現れるだろう。


 俺は真っ暗な空間に歩を進める。


 「さぁ、冥層主とのご対面だ」


 中央にまで歩くと、明かりがつき始めた。周りには松明のようなものは見つからないので魔法の類だろう。


 明りが完全につき、部屋全体の姿が顕になる。なんの変哲もない部屋のように思えたが、暗くて見えなかったのか……奥の方に、とんでもない量の魔力を含んでいる巨大な白い繭があった。

 近付こうとすると……繭の中から咆哮がした。咆哮は部屋全体の空気を揺らすほどの音量だった。


 繭の糸がほつれ始める。パツパツと糸と糸が千切れる音と同時に、一つの黒く鋭い針が繭の内部から突き出た。その黒い針は繭を裂くように下へ振り下ろす。穴が増えたことにより、内蔵されていた魔力が溢れ出した。瘴気のような魔力に、肺が痛む。


 繭が完全に裂け、中にいた層主の正体が分かる。


 層主はやはり予想通りの蜘蛛だった。しかし道中の蜘蛛よりも強く、ここの最深層主、蜈蚣よりも多くの魔力を保持していた。

 姿は、腹部には鬼の角のような棘が生えており、頭胸部はもふもふな毛が生えていた。

 八つの目は人間のような目をしており、非常に不気味だった。


 出てきた蜘蛛を観察していると、八つのリアルな目が俺を見定める。意味不明な叫び声を上げながら、その蜘蛛は俺に飛びかかってきた。ギリギリで防ぐが、重すぎて受け止めきれない。

 なんとか筋力だけで押し返し、反撃のチャンスを狙う。


「……クソっ…モンスターのくせに隙を全然見せない…」


 武の達人かのように、全くもって隙がない蜘蛛。しかし、それでこそやりがいがある。今までの敵は九割を出すまでもなく終わってしまう。だからこそ、強敵そうであるこいつには期待しているのだ。

 そして俺は蜘蛛を倒すために思考を巡らせた。






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 えちょまです

 眠過ぎてやばい

 それじゃ

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