亡くなったはずの父親を追いかけて──下丸子の神隠し──

夜缶

プロローグ

「親父がいた」

それは兄の電話から始まった。ありえない一言だった。

何故なら僕の父親は、小さい頃に亡くなっていたからだ。発見した場所は昔住んでいた『下丸子』。

兄の見間違いかもしれない。

けれど僕はそれでも気になって、導かれるように蒲田駅と多摩川を結ぶ多摩川線の電車に乗った。

降りる駅はもちろん下丸子駅。

大学の夏休みを利用して、僕は父親がいたという下丸子へ訪れた。

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