親の再婚で、浮気された元カノと生活します

のんびり

元カノとの生活がスタート

第1話 元カノとの同居がスタート

 勝は荷物を持った女性を見て、口をポカーンと開けてしまった。


「おまえがどうして、この家にやってきたんだよ」


 元カノの山本若葉を見た瞬間、本心を漏らさずにはいられなかった。


 若葉は敵意のある視線を向けてきた。不倫をしたくせに、こちらに逆恨みしようとしているのか。こいつにとって浮気は、快楽レベルと思っているようだ。


「それはこっちのセリフよ。あんたがどうしてここにいるのよ」


「俺の家なんだから、ここに住んでいるのは当たり前だろ」


 父の再婚相手の娘は、よりにもよって元カノ。運命の神様もなかなかこじゃれた真似をするものだ。


 若葉とは中学一年生から交際するも、中学三年のときに破局した。別れた理由は若葉の浮気である。勝の知らないところで、他の男と交際していた。一途そうに見えただけに、衝撃は大きかった。


 二股を許すことはできず、若葉に一方的に破局宣告を行った。それ以降については、一度も口をきいていなかった。理由が理由だけに、話をすることは一生ないと思っていた。


 父は二人の会話を聞いて、何かを察したらしい。


「二人は知り合いだったのか・・・・・・」


 勝は父の肩に手を乗せた。


「親父、すぐに離婚してくれ。この女とだけとは生活したくない」


 若葉は視線を、母親に向ける。


「ゴキブリみたいな男と生活するなんて、絶対に嫌なんだけど・・・・・・」


 父、新しい母親は苦笑いを浮かべていた。


「家はもう売り払ったから、ここに住むしかないのよ。過去にいろいろあったかもしれないけど、義理のきょうだいとしてやっていきなさい」


 若葉は露骨に不満気な表情を見せた。


「家を売却する前に、ここに連れてきてくれればよかったのに」


 勝、若葉は火花を散らしあう。父、新しい母親はその様子を見て、苦笑いを浮かべていた。 

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