タウングー来襲

そろそろアヨータヤーを発ち、マカオへ戻ろうとする時に事件は起きた


アヨータヤー近隣の国を約2万の兵で攻めようと進軍中のタウングー王子が、忠誠の証としてアヨータヤーへ援軍と人夫という名の実質奴隷、そしてさらなる人質テープを求める使者を送ってきたのだ


王宮での会議は紛糾したようだ

いまのアヨータヤーにタウングーに逆らえるだけの力はまだ無い

現在アヨータヤーがすぐ動員できる兵はせいぜい2000

下手に逆らえば行き掛けの駄賃でアヨータヤーが2万の軍に蹂躙されかねないし、仮に勝てたとしても今度は人質ナレスワンの姉の命が危うい

とはいえ、大人しく援軍を出すにしてもさらに奴隷や人質まで取られては今後独立など夢のまた夢

まして残り少ない王族の姫であるテープを新たに差し出さねばならないというのは、すでに差し出した人質に価値がないと言っているも同然の屈辱


紛糾する中、静かにナレスワン王子が口を開く

「父王、いまアヨータヤーに滞在しているルイコスタ商会の者達を呼びましょう」


「ナレスワンか …よきにはからえ」

「はっ そこの者、急ぎルイコスタ商会のワンとイープンの者共を呼んでくるのだ」

伝令が急ぎアヨータヤーの街へ走っていった…

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