偽物の英雄を立てるために英雄の荷物持ちだと詐称させられた元英雄、ダンジョン協会員として過ごしていたところ暗殺されそうになったのでダンジョン配信で真実を暴露したいと思います
第23話 最難関ダンジョンに移動する元英雄
第23話 最難関ダンジョンに移動する元英雄
あのあとホムラが手早く星斗を業火で焼失させると、転移陣からダンジョンに移動した。
一面に広がる空に鬱蒼と茂る木々。
タイプは違うがここもダンジョンの中だ。
遭難の危険とどこからモンスターが出てくるかわからないため不人気となっている世界タイプの。
確かここ--沈黙の樹海は暫定でA級トップではないかと目されている場所だったはずだ。
「モンスターとの棲み分けはできそうにないが、ここにも魔人は暮らしているのか?」
「暮らしているぞ。私も初めてくるが転移陣の近くに居を構っていると言う噂だ。少し離れたところからは配信を始めた方がいいだろう」
「なら天井に制限もないし、一息に跳んで距離を取るか?」
「なるほど。レン並みの身体強化であればこそできることだな。では肩を貸してもらうぞ」
俺が提案すると、ホムラが背中に乗って肯定の意を示したのでジャンプすることにする。
「じゃあ飛ばせてもらうぞ」
思い切りバネを使いジャンプして、虚空に向けて跳んでいく。
樹海の木々に遮られて全貌が見えなかったものが、飛んで木々を抜けたことで明らかになり、樹海の中に川や湖があるのが見えた。
今の着地点は湖からやや左に逸れたところだが、特に障害物やモンスターもいないので、軌道修正せずにそのまま降りる。
降りる途中、湖から水龍がこちらに向けてフライングしてきたので、頭を叩いて湖に戻すと地面に着地した。
「水中に棲むものが空中にいるものまで食おうとするとはたくましい生態系だな」
ホムラは背中から降りると泉の方角を見ながら呟く。
「いつでも何かしらのアクションが起きるなら配信に打ってつけだろう。SNSで告知したら配信を始めるか」
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