みちばた

折居 澪

数あるしあわせ

 下を向いている


 靴の先には黄色の花


 いつかは白い綿毛に身を変える


 幼い頃に息を吹いて飛ばした記憶


 願いを込めて息を吸う


 ちょっと先にはハートの三葉


 四葉にならずとも愛おしい


 喜びを運んだ懐かしいあの日


 思い出して心が動く


 後ろを振り向けば


 白色の花弁が地面を濡らす


 別れと出会いを巡らせる


 ふと上を見る


 春が来たことにやっと気付く


 下を向いても幸せがある


 上を向いても幸せがある


 横を向いたらあなたがいる


 笑みがこぼれる あなたが笑う

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