第3話 王都に案内

 私はリズのお金で馬車に乗っていると会話がぽつぽつと始まる。


「ラゼルはなんで家を追放されたの?」

 

「普通に能力がないからって追放された」

 

「能力がなかったら追放なんてするの……!?」

 

 リズはドン引きしていた。まあそりゃそうだよなぁ、正直この世界の人達が能力ないと追放されるって考えがよく分からないし。

 

「外れスキルを持った人間なんて必要ないって感じだったよ」

 

「えー!酷い!」

 

 そう言った後、リズは少し不安な表情をして話す。

 

「確かラゼルのコピーってどんなの? 発動条件が分からないんだっけ?」

 

 うーん……色々使ってみようと思って手を広げるが何も反応がない。


 今まで色んな技を《コピー》しようと思ったが何も出来なかった。


 スキルってどうやって発動するんだ……。少なくとも何秒か手を開いてるけども全然できない。


「発動しない……」


 私がそう言った時、リズは余計に不安そうな表情をするがすぐに大丈夫と言ってくれた。


 まあ多少スキルの発動の仕方は違うのかもしれないし。それよりもリズの能力についても気になっているし話をしよう。


「そう言えばリズのスキルって何?」


 私が質問するとリズは口を開く。

 

「私は《剣士》スキルよ」


 そのスキルを聞いて羨ましい気持ちになってくる。


 私自身、外れスキルだからなぁ……いやでもスキルの効果とか色々あるじゃんって思うかもしれない。


 そう思っているとリズが私の方を見てきて口を開いた。

 

「もし行く当てがないなら私のパーティーに入らない?」

 

「いいの?自分の能力もよくわからないし、冒険者としての知識ほぼ全くないんだけど?」

 

 それを聞いたリズは笑って答える。

 

「大丈夫!私がリーダーだからその辺は相談に乗るわ!」


 この提案はめっちゃ助かるなぁ、私無一文だから路頭に迷ってたわけだし。


 冒険者の知識全くないんだけど大丈夫かなぁと思ったりする。


「ただ私めっちゃ弱いよ?戦力にもならないし。」

 

「いいよ!最悪私が守ればいいし!」

 

 頼もしいリーダーだ、見た目も性格もいい。同性なのに惚れそうなぐらいだ。


 こんな素晴らしいお誘いを断るのは勿体無いので即OKをした。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る