二月のお祀り

六道イオリ/剣崎月

二月のお祀り

その名は誰にも言ってはならない

むがしめっこめねえのが

やまっこのだれもいねええさとまっだどぎ

すげねはんで

うだっこうだってだんだと


したらうたっごうだってけって

おなごしゃべったはんで

なんぼがうだっこうだってやったんだ


してあさまさなったんだど

したら

おなごがなめっこしゃべったんだとさ


**********


「お疲れさまです、オガミサマ」

「どいだしましで。はがっこも、つかれだべさ」

「いやあ、とくには。なにせいつもしていることなので」

「やぐざっで、こえぇなぁ」

「お時間はありますか」

「なんぼでもあらぁな」

「えっと」

「時間はいくらでもある」

「是非ともお誘いしたい、料理屋があるのです。ベトナム料理店で店主が麗月の大学時代の同期のいとこでして」

「わがだ。へば、いくが。こったらだどこ、ながぐいるもんでねえはんでな。おめんども、はやぐせ。こったらどこさいだら、ねっぱってまるや」


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