第6話 レア視点

 オレンジ色の髪をした可愛らしい少女が待ちきれない気持ちを抑えきれず少し早歩きで廊下を歩いている。


 同年代と比べてよく育っている胸は揺れ、スカートは短いため中が見えてしまいそうである。しかしその中が見えることは決してない。


 少女はある扉の前まで来ると恋する乙女の顔をして、前髪を整える。それから服を少しはだけさせて扉をあげる。 


 「先生、久しぶり元気だった?」


 先生は優しい笑顔で迎える。それを見て心が温かくなり頬が緩まないように気をつける。さりげなく胸を強調するように前屈みで先生の前に立つ。


 そして今回の目的である英雄学院の合格報告をする。


 「僕、英雄学院に受かったんだ‼︎」


 英雄学院は世界でもトップクラスの難易度を誇っている。先生に褒めて欲しくてもじもじしながら上目遣いで先生を見る。しかし頭を撫でてもらえなくて少し残念に思っていると、


 「先生、勉強してるの?」


 「子供たちに負けないように教えてるのよ」


 とシロが微笑みながら言い、先生は苦笑しながら頭をかいていた。これはチャンスだと思い、


 「僕も勉強教えてあげようか?」


 「僕、結構賢いと思うよ」 


 言ってからレアはシロの反応をうかがう。


 「そうね、レアにも手伝ってもらったら私の負担も減って楽になるわ」


 シロは思ってもいないようなことを言い、先生の膝に座っているクロをどけてソファーに乗せた。


 シロは先生の膝に座っているクロに嫉妬していたんだと思いだながら先生に勉強を教える準備をした。


 体のラインが強調される女教師の格好に着替えて、チラチラとスカートの中が見えるようにしながら勉強を教え始めた。

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 ここはこの世界でも有数の企業であるローズカンパニーの本社ビルである。


 魔剣士や魔法使いの使う武器を製作、販売しており、その分野では世界一である。


 そのビルの最上階にある社長室でレアは目の前に出されたお金を数えている。


 「今月の徴収分はしっかりあるね」


 レアは朗らかな笑顔でそう言った。

 

 レアが笑顔でいるのと対照的に対面で座っている男は顔中に汗が出ており、精神的に相当追い詰められている様子で男は苦悶な顔を見せる。


 「もうこれで終わりにしてくれないか」


 「何言ってんの?、わかってるんだよこの金額がこの会社の払えるギリギリの金額だって」


 「ギリギリすぎるんだ、このまんまだとこの会社は破産してしまうせめて額を減らして…」


 レアは男の顔を机に叩きつける。


 「誰のおかげてこの会社がここまで大きくなったと思ってるの?恩を仇で返すつもり?」


 さっきまでの笑顔は鳴りを顰めて何の感情もない能面のような顔になり、下手なことを言ったら殺される雰囲気があった。


 しかし男はそれに気づかず逆上した。


 「そもそも、お前は俺の娘だろう…」


 レアは男の手にナイフを刺した。


 「愛人であった母さんを捨てといて今更父親ぶるなんてやめてよ鳥肌が立っちゃうじゃないか」


 「でも捨てたことは気にしないでいいよ、あの人に救われて僕もお母さんも良くしてもらってるんだ。今は本当に幸せだよ。」


 これが嫁にいった娘の報告であるならば、どれほどほのぼのとした良い会話となることだろう。


 「本当はお前を殺したいけど、あの人の役に立つうちは殺さないであげる」


 「次はないよ」


 レアは男に興味をなくし、お金を持ってその場を去った。

 








 

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