第3話 本当にできた!
おじいさんから魔導書をもらった日の夜。
わたしはひとまずこの魔導書を読んでみることにした。
内容は『魔導士』の天稟についてのものだ。
ちなみにわたしは魔法が使えない。
だから、『魔導士』の天稟を与えられることはないはず。
けれど、読み終わった後、体に何か変化が起きたのを感じた。
何が起きたの!?まさか・・・いや、ないない。
そうは思いながらも一応自分の能力を確認してみる。
天稟『本好き』、『魔導士』
ほんとに増えてる!
やっぱり『本好き』の対象には魔導書も含まれるんだ!
ちなみに『魔導士』の詳しい内容は
①魔力上昇(強):魔力の量をかなり増加する
②詠唱破棄:魔法を使う際に詠唱する必要がなくなる
③魔力回復速度上昇:魔力が通常よりも早く回復する
④多重詠唱:複数の魔法を一度に発動できる
⑤魔法効果強化:魔法の効果が上昇する
というもの。魔法使いにとってはうれしいことしかない天稟じゃん!。
これってつまり、わたしは魔導書を好きなだけ作れるっていうこと?
なにそれめちゃめちゃすごいじゃん!
ではさっそく。
わたしは『製本』を使って魔導書を一冊作ってみた。
その日の記憶はそこで途絶えている。
目が覚めると、すでに朝日が差し込んでいた。
あれ?なんで床で寝ていたんだろう?
たしか魔導書を作ろうとして・・・あ!魔導書!
さがすと床に昨日のとは違う魔導書があった。
本当にできた。
でもなんで倒れたんだろう。
そうだ!早速この魔導書の天稟を使ってみよう。
わたしが作ったのは『賢者』という天稟。
①知識の楽園:あらゆる知識を得ることができる
②並列思考:複数のことを一度に考えることができる
という内容の天稟だ。
この天稟を使ってわたしが倒れた原因を調べてみると、魔力切れによるものだといわれた。
どうやら魔導書を『製本』する場合は莫大な魔力を消費するらしく、『魔力上昇』で増えた魔力でぎりぎり足りるくらいらしい。
最初の魔導書が『魔導士』でよかったー。『魔力上昇』がなかったら作ることはできなかったよ。
ということは魔力が増えたら制作することができる魔導書の数も増えるのかな。それもおいおい確認してみよう。
さらに分かったこととして、『勇者』など、一人だけしか存在しない一部の天稟は『製本』でも作成することはできないらしい。
でもこれならもしかしたらわたしも冒険者になることができるかもしれない。
いずれはフリージアと一緒に。
とはいえフリージアは天稟だけじゃなく自分でも努力を欠かさないからこそ強いんだもんな。
わたしがいくら天稟をふやしても、それを使えるだけの実力がないと宝の持ち腐れみたいになっちゃうから、わたしも自分の実力をのばさないとね。
そのためにはやっぱり練習するしかないよね。
わたしはまだ冒険者として登録していないからお金は入ってこないし、なによりせっかく始めたお店をすぐにやめたくないはないなあ。
しばらくは閉店後と休日に町の外で練習することにしよう。
あと、お店に来た冒険者にいろいろと教えてもらう。
てうかそろそろ開店の時間だ!急がないと!
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