あなたの作品は“必ず”埋もれる
前のエピソードでは、Webサイト上で作品と出会うシステムが「ランキング」がほぼすべて担っていると書きました。ジャンルや、タグ検索のことも書きました。
しかし一応それ以外にもあります。「新着」「完結ブースト」などです。
アルファポリスでは、「新着」「更新」「完結」それぞれの作品の状態によって、書いた作品が一覧に載ります。カクヨムでは同じく「新着」「レビュー」「注目」などがありますね。それを見て小説を読んでくれる人は、本当にごくわずかですが、いらっしゃいます。
それはとてもありがたいことです。
ですが、これらも「ランキング」以外で作品と出会うために一定の寄与をしているとは思いますが、決定的なものにはなっていないと思います。
まず「新着」や「更新」などですが、これはその文字通り、一端終わってしまえば、それまでです。「新着」は、また新しく作品が次々押し寄せてくるので、たとえば何百時間、何年もかけて書いた作品も、数十分、暇つぶしで書いた作品と並列に並べられ、それによって押し流されていきます。
「更新」によって、人の目に触れられるようにする、という手もありますが、他の人間も同じような手を使うので、同じように作品は下に流れていきます。
カクヨムでは「レビュー」がありますが、それらのレビューは無作為に、自分の好みとは関係なく並べられているので、そこからさらに自分が面白いと思うような作品に出会うのは難しいです。
紙の本の場合、「名作」「ベスト100」などで選ばれた作品から自分に合った作品を探せますが、現状カクヨムなどで、そのようなものを見かけたことはありません。
「注目」は、ランキングと少し違いますが、やはりランキングと似たような作品が並んでいます。
さて、ここまで書いてきて、あなたが、長い年月をかけて、渾身の一作を書き上げたとします。それは長大な作品で、とてもじゃないけど、出版社の主催する新人賞なんかには応募できません。
それならばネットで発表するしかないと思い、そうなると必然的に小説投稿サイトが候補に挙がってくるでしょう。
たぶんあなたの小説は、色々と癖の強い作品で、独自性があり、流行りの小説とも違うでしょう。でも、そんなあなたの作品を好んで読んでくれる人は、この一億人以上いる日本にはどこかに必ず、一人? 十人? 百人? いやもっと、たくさんいると思います。
しかしあなたの人生が色濃く反映されたその“傑作”は、たとえ投稿サイトにあげたとしても、上記のようなシステムによって、流され、ほとんど誰にも発見されることもなく、埋もれていくのです。
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