第21話 地球の侵略国から武器を奪え!Ⅰ

 新婚旅行で無事に晴人の実家に到着した晴人とソフィーナ。ソフィーナは平然を装っていたが内心は緊張感でドキドキが止まらなかった。


「ピンポン。」


「はーい!」


「お母さん、ただいま。」


「彰さーん!晴人が帰ってきわよー!」


「お父さん、ただ今帰ってきました。こちらは、妻のソフィーナです。」


「おかえり、晴人。そうこそ、ソフィーナさん。そうぞお入りください。」


「晴人さんの妻のソフィーナと申します。どうぞよろしくお願いいたします。」


「父の彰と妻の百合子です。こちらこそよろしくお願いします。」


「まあ~、なんて綺麗な人なの~!晴人、超美人じゃないの、あなたラッキーだったわね。ねえ、彰さん、とっても綺麗ないな美人さんよね。」


「うん。とっても美しいお嫁さんだ。晴人、ソフィーナさん、結婚おめでとう。」


「お父さん、ありがとうございます。」


「お父上様、お母上様、ありがとうございます。」


「ソフィーナさん、これからはソフィーナちゃんって呼んでいいかしら?」


「はい。お母上様。」


「晴人、客間にソフィーナちゃんを案内してあげて。」


「はい。」


「お父さん、お母さん、改めて紹介します。私が晴人さんと結婚した、惑星『フリースランド』のパルマ・パニーニャ共和国の王妃、ソフィーナです。」


「まあ、晴人は王女様と結婚したのね。すごいわ~。それにしても綺麗な方ね。晴人は、こんな綺麗なお姫様と結婚できてよかったわねえ。ねえ、あなた。」


「うん。晴人にはもったいないぐらい美人だ。ギャハハハハ!ギャハハハハ!」


「お父さん、その『ギャハハハハ!』笑いは昔から変わりませんね。」


「ソフィーナさん、日本茶と鹿児島銘菓メイカの『かるかん』をどうぞお召し上がりになってね。」


「はい。ありがとうございます。」


「ソフィーナ、父と母は、『天』の転生によって『レミラス』っていう惑星に長くいたんだよ。お父さんは、『天』の命令によってお父さんの仲間たちと帝国軍と戦って敵の国や惑星を滅ぼしたんだ。それで、お母さんと日本に帰国できたんだよ。お父さんは、今でも『天』に授かった魔法が使えるんだ。」


「まあ、そうでしたの。お父様も帝国軍と戦っていらしたのですね。」


「ソフィーナさん、お父様とお母上様じゃなくて、もう、家族なんだから、お父さん、お母さんと呼んでいいからね。遠慮はいらないよ。私にはね、『ぼっけもんず』という仲間がいてね、その仲間たちと一緒に帝国軍を戦ったんだ。『ぼっけもん』っていう言葉は鹿児島の方言で、『荒くれ者』っていう意味があるんだよ。命がけで戦ったよ。先日、『天』から念話が来てね、晴人とソフィーナさんが新婚旅行にくる話を聞いたんだ。それに、晴人が『地球の侵略国や危険な国から武器を奪い取るから手伝ってほしい』と命じられたよ。大変な危険を伴うが、スリルがたまらないぞ、ギャハハハハ!ギャハハハハ!」


「お父さんにお願いがあります。」


「うん、どうしたの?ソフィーナちゃん。」


「私も晴人さんのおかげで、『天』から魔法を授かっています。私も何かお役に立ちたいのです。どうか一緒に侵略国へ連れて行ってください。」


「ええっ。晴人、お父さん何て返事したらいいの?」


「お父さん、お願いします。ソフィーナは、正義感と責任感が強くて、『天』の『メビウスの輪』も授かっています。透明スルー魔法などの魔法も全て自分で付与することができますので、どうか一緒に連れて行くことをお許しください。」


「ほう、それは、おもしろそうな新婚旅行だな、ギャハハハハ!ギャハハハハ!晴人がOKだったら、おれもOKだぞ。ソフィーナさんは、お父さんが守るから、晴人はロシアから新型の兵器をガッポリ奪い取って来いよ。」


「はい、ありがとうございます。お父さん、感謝いたします。」


「ソフィーナ、良かったね。お父さんからOKをもらえたよ。」


「お父さん、ありがとうございます。私も役に立って見せます。」


「ソフィーナちゃん、無理はしないでね。彰さんと晴人に守ってもらうのよ。」


「はい、お母さん、ありがとうございます。」


「晴人、ロシアに深夜、忍び込むのだったら明日の早朝がいい。今日は早く寝て、明日は早く起床するからな。よし、そうと決まれば、有名な妙見ミョウケン温泉の露天風呂に入って、天降川アモリガワの美味しい黒豚と野菜の蒸し焼き料理を食べに行くぞ!」


「はい、ありがとうございます。」


 ソフィーナは、晴人の運転で妙見ミョウケン温泉の露天風呂に入りに行った。


「ソフィーナちゃん、露天風呂は初めてですか?」


「はい、お母さん。初めてです。とても広くて自然が美しいですね。それにお肌がスベスベします。」


「ここはね、『美人の湯』といって昔からこの温泉に入るとお肌がスベスベになってね、『美人』になると言われているのよ。でも、ソフィーナちゃんは、綺麗で美人だから関係ないわね、オホホホ。」



「晴人、久しぶりの露天風呂で気持ちがいいだろう?」


「はい、お父さん。」


「晴人、お前、超美人と結婚したな。スタイルもすごいじゃねえか。おい、晴人、ソフィーナさんともうやったのか?」


「お父さん、恥ずかしいことを聞かないで下さい。」


「晴人、顔が真っ赤になっているってことは、体験済みだな、この野郎!」


「結婚したんだから、当たり前ですよ。」


「息子が宇宙一の美人と結婚して、俺は嬉しいぞ。」


「晴人、武器を奪いに行く今回の国は、ロシアと中国と北朝鮮だけにしておけ。」


「なぜですか?」


「イスラエルの武器倉庫と弾薬庫とロケット発射基地には、透明化スルー魔法が通用しないからだ。特殊に開発した新型兵器のレーザー光線を張り巡らせて見張っているから、今回はやめておけ。いいな。」


「はい。ソフィーナを危険にさらすわけにはいかないので、今回はイスラエルは避けておきます。」


「明日の早朝、午前6時にロシアに転移する。そらから明後日の午前2時に北朝鮮と中国に侵入するからな。」


「はい。分かりました。」


「晴人は各軍事基地や武器庫の座標軸は知っているのか?」


「はい、『天』の息子にミニッツというものがいます。彼に聴けばすぐに転移できます。」


「ほう、『天』にも息子がいたのか。」


「はい、とてもいい奴ですよ。いつも助けてもらっています。」


「そりゃあ、いい軍師を手に入れたな。」


「はい。」


「晴人、そろそろ温泉から上がって、天降川アモリガワの美味しい黒豚と野菜の蒸し焼き料理を食べに行くぞ。帰りは、代行運転に頼むから、お前もビールと焼酎を飲めよ。」


「はい。ありがとうございます。」


 それから4人は、天降川アモリガワ沿いにある黒豚と野菜の蒸し焼き料理を食べに行った。


「ソフィーナちゃん、お酒は飲めるのかい?」


「はい。」


「よし、ビールを頼もう。」

 

 4人は、ビールで乾杯した。

「ウワァァァァー!スッゴーイ!苦くてシュワシュワしていて美味しいです。」


「ソフィーナ、口の周りに白いひげがついているぞ。」


「彰さんも、白いおひげがついていますよ。」


「そりゃあ、ビールの泡だ!ギャハハハハ!ギャハハハハ!」


「ソフィーナちゃん、お料理も召し上がって。」


「美味し~い!お父さん、お母さん、このお肉、甘くてすごく美味しいです。」


「ソフィーナちゃん、それはね、鹿児島名産の『黒豚』のお肉なのよ。」


「『黒豚』だから『黒い豚』ですか?私の住んでいる惑星『フリースランド』にも豚がいますけど、こんなに甘くて美味しくないです。」


「ソフィーナさん、鹿児島の『黒豚』の多くは、放牧していて、美味しいエサをたくさん食べているからこんなに美味しいんだぞ。」


「へえ~、そうなんですね。美味しいエサをたくさん食べて、放牧で運動しているからこんなに美味しいのですね。勉強になりました。」


「ソフィーナさん、『さつま芋』食べたことあるかい?」


「はい。晴人さんに『べにはるか』と『安納芋』を食べさせていただきました。甘くてとっても美味しかったです。じゃあ、『さつま芋』のお酒は飲んだのかい?」


「いいえ、飲んだことはありません。」


「飲んでみるかい?」


「はい、飲んでみたいです!」


「すみませーん!『魔王』を一升瓶イッショウビンで下さーい!」


「はい、お待たせしました。『魔王』でございます。」


「お父さん、このお酒の名前は『魔法』ですか?」


「うん。名前は怖いけど、まあ、飲んでみなよ。まずは、氷を入れて水割りで飲んでごらん。薄めてあるから。晴人とお母さんはロックだな。」


「はい、みなさん、どうぞ。」


「美味し~い!フルーティーな味わしますね。とっても美味しいです。」


「お父さん、最高級の焼酎ショウチュウだけあって、さすがに美味いね。」


「ほんと、美味しい焼酎ショウチュウだわ。」


「お母さん、さつま芋のお酒のことを日本では『焼酎ショウチュウ』と言うのですか?」


「そうよ、ソフィーナちゃん、『焼酎ショウチュウ』って言うのよ。ソフィーナちゃんが来るから最高級の『焼酎ショウチュウ』を飲ませたいって、彰さんが言っていたのよ。」


「お父さん、お母さん、私のためにありがとうございます。ソフィーナは素晴らしいお父さんとお母さんに会えて幸せです。」


「私と百合子も、ソフィーナさんのように優しくて思いやりのある人が晴人の奥さんになってくれて幸せだよ。さあ、ソフィーナさんもロックで飲むかい?」


「はい。ありがとうございます。」


 一升瓶の『魔王』を飲み干すと、食事会は終わった。代行運転を頼んで自宅に帰えった。


「晴人、ソフィーナさん、明日の朝6時にロシアに転移するから朝5時には起きるんだぞ。今日は早めに寝るんだぞ。」


「はい、分かりました。」


 晴人とソフィーナのために新しくダブルの敷布団が準備されていた。焼酎でほろ酔い気分だったため二人は抱き合ったまま眠りについた。




 早朝午前6時。晴人の父、彰と晴人、ソフィーナは暗視スコープを着用し、準備万端であった。


「おい、ミニッツ、晴人だ。今からロシアに行く。まず、最も大きな武器庫があるところへ転移させてくれ。」


「分かりました。できるだけ多くの軍事基地を狙います。第201軍事基地に転移します。では参ります。」


「スッ。」

「スッ。」

「スッ。」


「パッ。」

「パッ。」

「パッ。」


「晴人、ソフィーナさん、土魔法、水魔法、火魔法、風魔法、雷魔法、レーザービーム魔法、物体再現魔法、細胞再生魔法、治癒魔法、完全治療魔法、疲労除去魔法、身体強化魔法、防衛用バリア魔法、無音無臭魔法、物体浮遊魔法、空間飛行魔法、超高速移動魔法、高速物体スロー再生魔法、透明化スルー魔法は付与できているな。」


「ラジャー!」

「ラジャー!」


「この大きな倉庫は既に、機関銃と大砲と戦車と弾薬の格納庫じゃないか!」



  






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