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 そのことがあってからは、二人で構内を並んで歩いたり、時々は、私がお弁当を作って、学内の庭園で食べたりしていたので、二人を知っている人の間では公認みたいになっていた。


 しばらくして、私が彼等の練習を見ていると、あの時の彼女が寄って来て


「ラグビーって 知ってるん?」


「あー いいえ ボール持って走るのしか・・・」


「だろうね 色々とルールがあるから ややっこしいんだよねー」


「あのーぅ・・・あの人から マネージャーって聞いたんですけど・・」


「あっ そう? あいつ そんな風にしか言えないんだぁー ウチはあいつの一番近いガールフレンドのつもりなんだけどなぁー 教育学部2年 小野寺瞳おのでらひとみよろしくネ ふふっ まぁ いいやー お兄がね ラグビーやってて 時々、試合を見に行ってたんだー だから、興味があって こんな風に練習見てたら、あいつが興味あるんだったら、マネージャーやってくれないかって それからかなぁー 同じ関西出身ってのもあったヨ」


「そーなんですか 仲は良いって言ってました」


「そうかぁー あんた ウチのことが気になって 聞いたんやろー? そーかもなぁー 大学に入って直ぐに知り合ったからなぁー あんたは イオとはいつから?」


「えっ いつからって・・・ ウチが高校に入った時からかなぁー でも 付き合って無かったと言うほうが・・・なんか バカみたいな話なんです あんまり 話したことも無い・・あっ ウチは生物資源科学科の奥浦真織です」と、頭を下げていた。


「ふ~ん でも あんた 勇気あるよねー ウチやったら あそこで あんな風に叫ばれへんわー」


「・・・だって 覚悟してここに来たのに・・・ 知らんぷりされそうで・・・必死やったんです」


「あっ そう 相当好きなんやねー イオのこと あいつもあんたのことがあったから ウチなんかにも 振り向きもせんかったんやーな 時々 あいつんとこ行って、ご飯なんかも作ってたんやでー まぁ 何人かで 一緒やったんやけどー 一回ぐらいは二人っきりやったことあったかなー そんな雰囲気になるかもって ぁー ちゃうでー ウチやって まだ さらっぴんやでー」


「・・・」


「あっ 心配せんでも 男と女の関係には なってへんでー 飲んで泊ったこともあったけどなー ウチはかめへん思っとったんやけどな! あいつの心ン中にはあんたがおったんやろなぁー なぁ あんた そんなに 可愛いのに あいつのこと 追いかけてこんでも いっぱい 居ったやろー?」


「はぁ でも・・・ あの人のこと忘れられなかったから・・・」


「ふ~ん・・・ お互いがねぇー あっ もうご飯作りに行くの遠慮しとくから あんたが行ったりぃー あいつ ブロッコリーとカリフラワー苦手やからな! うちのコップが置いてあるかもしれんけど気にせんとってな それからな 以外なんけど あいつ フルート うまいねん」


「ウチ等 まだ そんなー・・・」


「何ゆうてんのん! 立派な彼女やろー? 押して行かなあかんでぇー ぼやぼやしとったらー ウチが横取りするからな! 今度は、色じかけやでー ふふっ ジョーダンやけど・・」


 脅かされたわけじゃぁないけど、私はそれっくらいはしなきゃーなって思っていた。だって せっかく 側に居るんだからー。今度、思い切って、行ってみようと思っていた。だけど、部屋の中で二人っきりになると・・・どうなんだろう? と不安も感じていたのだ。彼だって男なんだから興味あるに決まっている。それは、私でなくても他の女の子でも・・・きっと、手に入るとなったら誰でも同じなんだろうか?


 でも、瞳さんは そんなことは無かったって言っていた。あの時、慣れているみたいに いきなり 抱きしめてキスしてきたんは何だったのー お母さんから、マオのことは信じているから、ふしだらなことはしないでよって 家を出る時に約束してきたのだ。裏切る訳には行かないのだ。


 でも ごめんなさい キスぐらいは・・・もう 大学生なんよっ と、言い訳をしていた。あの時、頭ん中が真っ白になって・・・幸せを感じるのだ。 

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