幕間・4

 僕らは花火を見ていた。

 空に咲く花は咲いて、すぐに消える。

 その灯に、熱気とすこしの淋しさを覚える。


「やり直せるならって、思ったことはある?」

 ルナはふとそんなことを言った。


「思わないことなんてないよ」

「やり直せるなら、何を願うの?」


 僕はふざけて「この前の試験かな」と言い、「ルナは?」と聞き返す。

「――」


 彼女は何かを言ったけれど、その声は聞こえなかった。


「え?」

「ううん、忘れて」

「う、うん」


 彼女は、なんと言ったんだろう。

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