捨て猫を拾ってきたら祟り神だった件について

八重樫 月夜

プロローグ

シャワールームのある一室にて、1人の女が自らの身体を清めていた。


蛇口を捻ってシャワーを止めた後、女は身体から滴り落ちる水滴を拭いていると、ドアを

トントン叩く音がする。


「お前いつまで我を待たせるつもりだ?」

「いい度胸じゃ……我のご飯の時間を押してまで風呂に入るとは……」


「申し訳ございません!すぐに出ますから!!」


ドアの向こうにいる男の子のような声をした者に返事を返しつつ、バスタオルで体を巻く。


炭酸が抜けたような音と共に出てきた女の目の前には――


「遅いぞ!!我が下僕以下の奴隷である津田美海つだえみよ」


白くて可愛い……猫であった。


「えへへ~撫で撫で~」


「……貴様、この祟り神である我を子供扱いするとは……ッッ!!?」

「抱くな~~!!」


「ごめんね~コハナちゃん♪」

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る