トリプルダウン

マルコボーロ大佐

一握りの勝者

第1話 トリプルダウン


教室の隅の机にて

如何にも金持ちそうな女にチンチロを仕掛けた


「綺咲さんから仕掛けてくるなんて」


右手にはサイコロが3つ

左手に5万を握った


勝てば5万を手に負ければ5万が消える


このチンチロのオールマスターの菊金先生がこの学校のハウスルールを説明し始めた


ここでのチンチロは親や子と言った概念はなく

お互いに決めた金額で行うルールになっている


「ピンゾロが5倍!シゴロ4倍!ゾロが3倍!ヒフミが即負け5倍払い!目無しは4倍払いだ!お互いの了承で掛け金の変動は許可する!」

「1発逆転のルールね」

「ほほう政府の娘がチンチロのルールをご存知で」

「イカサマ女に恥をかかせる為に入学前に覚えたわ」

「それでは始めるぞ!賭け金を口に上げろ」

「5万!」

「私も5万わ!」

「それではどっどうぞ」


サイコロを机に転がした

2 5 6

目無し...


「ふっ..目無しですわ」


机に転がしたサイコロを拾って

再び振った

2 3 5

目無し...


「また目無しですわ」

「...」


次に役を出さなければ負け!即負け!

決意を込めてサイコロ振った


最初に出たサイコロの目は2


二つ目にでたサイコロの目は4


最後に出た目は4...!

役は2

好都合..!


「...」

「これは勝ったわ!」


相手は左ポケットからサイコロを出した

右ポケットに入ってあるサイコロを選ばずに左ポケットに入っている学校配布のサイコロを取り出した

イカサマと言う危ない橋を渡らない事を選んだ

それが敗因だ


相手がサイコロを振ろうと構えた瞬間


「トリプルダウンっ」

「なっ!3倍賭け!」

「なに言ってるのよ!役がたかだ2でそんな!」

「認めるか?」

「いいよ認めてやるますわ!」


周りの観客たちは驚いたように私を見つめた

私の言葉に動揺した相手は


サイコロを机の上に振った


1 2 4

目無し


「はぁ..はぁ...危ないわ」


再び相手はサイコロを振った


1 2 3

ヒフミ!5倍づけ!


75万の勝利!完全勝利


「いっ..イカサマよ!」

「イカサマぁ?何の話ですかぁー?」

「イカサマ女ぁ」

「菊金先生!」

「なんだ?」

「先生もやりません?」

「えっ」

「は?」


何人かが驚いた顔をして私を見つめた


くくく

竜巻が平原で起こっても被害は少ない..なら

都会で起こしたほうが...得

それと同じさ


「...いいぞ」

「ありがとうございます」

「なに言ってるんだ!イカサマ女!」

「もちろんやるよな?負けたままでいいのか?一条家の娘が」

「...っち...わかったわ一条の名に掛けてこの試合を挑んでやるわ」


負けたカモは何があっても潰す..

くくく...


「この金でトリプルダウンだっ」

「狂ってるのか!イカサマ女!」

「...面白い」

「225万ポイントを私は賭ける」

「馬鹿なのか!アホなのか!死ぬのか!」

「お前を殺し先生も殺す...このポイントでなければダメだ」

「やめるわ!こんなゲーム!」

「ルールを破ってまで逃げるのかーーッッ一条!」

「イカサマ女には何がわかる!」

「バーカァ!何も知らねーよーだぁ」

「クズがクズがクズが!」

「....グフフ..ぅっくぐぐぐ」


たっ...たならないこの顔


「はっ発情して嫌がる」

「イカサマ女ぁああ」






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