短歌『使者』 お題:一杯(比喩的)

 はちふち

 鳥が玉梓たまずさ

 口上こうじょう

 一筆啓上いっぴつけいじょう

 つかまつそろ



 一杯の鉢の縁に止まっているという認識でお願いします……

 鉢、バケツとかでもよかったのですが文字数的に(あと日本語使いたかったので。ちなみにバケツは英語由来でbucketです)


 玉梓→古語で手紙

 口上→一定の決まりに従ったひとまとまりの言葉。つまり読み上げてるんですね。


 一筆啓上仕り候→簡単に言えば、手紙の書き出しに使うことばです。

 が、ここでの本懐ほんかいはホオジロという鳥の鳴き声を指しています。

 鳴き声がこういうふうに聞こえる、ということです。

 これを『聞きし』といいます。

 有名なのは、

 ・時鳥ほととぎすの「東京特許許可局」

 ・うぐいすの「法、法華経」

 ですね。

 YouTubeでは鳥の鳴き声を紹介した動画がたくさんあります。気になる方は調べてみてください。鳥には同じ種でも鳴き方が違い、各々聞き做しがあるようです。ホオジロも全部は紹介できないので割愛します。(僕はとびの鳴き方が優雅で好きです)

 候の読みは「そうろう」の場合と「そろ」の場合がありますが、聞き做しとしては「そろ」みたいだったので。


頬白ほおじろはうやうやしく春の訪れを伝えに参上したのでした】


 的な感じです。

〔鉢についての説明〕

 野鳥用に水を入れて庭に置くものがあるのですが、そうすると小鳥など鳥が来て水を飲んだり水浴びしたりします。餌付けは勿論ダメですが……。

 水場、とか水飲み台とか呼称も形状も一定ではないので様々な便宜上、鉢にいたしました。そういう文化というかある種ガーデニングの一環みたいなもので綺麗な水を入れた器を置く、ということがあるので『一杯』と比喩的に使わせて頂きました。

 分かりにくくて本当に申し訳ありません。


 そういえば。

 実家は炬燵こたつのある家でした。

 とある位置に座り、その向かいの障子戸を開けます。奥のガラス戸の向こうには梅の木があるんです。二月ごろには花が咲くのですがその花を食べに目白かうぐいすかは分かりませんが、緑色の小鳥が一生懸命といいますか無我夢中で花をついんでいるんです。何匹も。時には喧嘩なんかしたりして。もうとにかく可愛くて可愛くて……。

 これを、『いとをかし』っていうのかなーなんて思いましたね。

 ひとえに絶景でした。


 今回はこれで以上です。ありがとうございました!

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る