第33話 【奏多】理想のタイプに近いのは

昼休み。


エレベーターを待たずに階段で下まで降りていると、コツコツと早い足音がおいかけてきた。


「あら藤原くん、ランチ行きましょ。」


案の定、主任だった。

あら、じゃないだろ。


もともと化粧の濃い主任だったが、最近はより一層濃くなってきた。



「いいですよ。定食屋いきますか。」


「そんなところじゃなくて、パスタとか行きたいわ。少し歩きましょ。」


駅と反対方向に向かって俺たちは歩き出した。


「昨日は、何か突発案件とかなかった?大丈夫だった?」


「いや特に、、、あ!でもなんか細々した依頼とかが多くって、結構忙しかったんですよ。」




主任がいなくて暇だったなんて、カッコ悪くて言えやしない。




「そうなのね。午後から、頼みたいことがまだまだ沢山あるから、忙しくなるわよ。」




古い体質のうちの会社。女性の人数自体が少ないのもあるが、女性で役職がついているのは山本主任1人だけだ。

そして、みんなやたらと女性に頼み事をするので、うちのフロアで1番忙しいのは誰が見ても主任である。





俺のタイプは、ゆるふわな妹キャラである。

ついでに巨乳で脚が綺麗だとなお良い。

ツインテールで「奏多センパ〜イ♪」みたいなのが最高だ。


ひなは、最初ゆるふわな感じに見えたけど、意外と体育会系っぽい感じだ。でも、年下だし、シャイなところがいい。

あとスレンダーなのに腰回りがしっかりしているのが、脚フェチの俺には嬉しい。



主任は、年もだいぶ上だし、完全なるアネゴ肌だ。

サバサバ系で、ゆるふわのゆの字もない。

だが、少しぽっちゃりしていて巨乳だし、脚もムチムチして、脱いだらすごそうである。



正直、主任のことは最初、職場の上司以外の何の感情も持っていなかったが、こうもグイグイこられると、やっぱり気になってしまう。

なんたって、脱いだらすごs‥‥(略)



でも、主任といると、主導権を全て主任にもっていかれてしまうので、なんだか自分が情けなくなる。



俺は妹キャラをリードする、かっこいい先輩でいたいのだ。



ランチを食べて自席に戻ったおれはすぐ、懲りずにまたひなにチャットを送ってみた。



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◯藤原奏多


ひな、元気〜?

昨日、日曜日っていったんだけど、金曜日までに仕事なんとか片付けられそうだから、土曜日でも大丈夫だけど、どうかな?


悩みとかあったら、なんでも聞くよ!

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俺は身動きせずにひなの返事を待つ。

数分後、ひなから返事が来た。


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◯沢崎陽奈


こんにちは!

すみません、せっかく誘って頂いたのに申し訳ないんですが、土曜日も用事があって。。。

ごめんなさい(>人<;)

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チーン。

彼氏でもできたんだろうか。




俺は椅子にもたれかかって天井をみあげ、鼻から大きく息を吐いた。











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