第29話 【幸太】俺だけに見せて

砂浜を散歩するひなを、俺はしばらくスケッチしていた。


長い髪、麦わら帽子にワンピース。白い花のついた厚底のサンダルで歩くひなの後ろ姿が、広い地平線と重なって絵になる。


細身ですらっとしているわりには、思ったよりふっくらしていそう、、、だったな。さっきくっついてきたとき。


「コータさん、見て!小さいカニがいるの!」


無邪気にはしゃぐひなの笑顔は、どれも一枚の絵におさめたいくらい可愛い。


「ひな、こっちきて。もっと近くで描かせて欲しい。」


「えっ、いいですけど、、座ればいいですか?」


ひなは砂浜で俺の横に座った。

俺は顔を近づけてひなの横顔をまじまじと眺め、絵を描き始めた。

「コータさん、なんか恥ずかしいです。私は、どんな顔すればいいですか?」


「そのままでいいよ、可愛いから」


そういって恥ずかしがるひなの顔を画用紙におさめる。愛おしくてたまらない。

「もっとひなのそういう顔見たい。ひな、水着持ってきてる?」


「えっ、、、ありますけど、、、」


「水着になんない??」


「えっ!??いやでも、私だけとか恥ずかしいです!コータさんも一緒に海入りましょうよ」


いやいや、そうじゃなくてさ。


「あとで入るからさ、まず描かせてほしいな」


「え!?私、ほんとにスタイルは自信なくて、、、」


そういいながら、岩陰でワンピースを脱いだひなは、胸元をタオルでぎゅっと隠しながら戻ってきた。


「可愛いじゃん。いろんなポーズして、俺を誘惑してよ。」

俺はひなを試した。シャイなフリをしているが、ひなの本性はきっと大胆なはずだ。



「えぇっ!?!?」


ひなは一瞬ためらったが、すぐにスイッチが入ったのか、俺の正面に体育座りになり、首をななめにかしげ、いたずらに舌を出してこっちを見た。


やっぱりね、くると思った。


「いいね、いいね、もっといろんなひなを見せて。」

あとでじっくり描こうと、俺はスマホを手に取った。


ひなは「いいですよ♪」といたずらな笑みを浮かべると、俺の横に寝そべって横向きになり、口元に指を当てて、セクシーな表情でこちらを見た。



「ひな。。。。。」


俺は、このままひなをめちゃくちゃにしてしまいたい衝動にかられた。



おれが家で勝手に描いた、チュッパチャップスを味わうひなの絵を思い出した。




「ひな。。。車戻らない?」



「え?車にですか?いいですけど。海はもういいんですか??」



ひなはきょとんとしている。



なんでそうなるんだよ。そういう気分であんな顔したわけじゃないのかよ。。


ひなに振り回された俺は、もやもやと若干のいらだちを覚えながら車に戻った。





あんなに晴れていたのに、急に暗雲が立ち込めてきて、雨が降り始めた。




サンダルの砂を落とし終えたひなが言った。

「雨、ひどくなってきましたね。」


ワイパーが止まることなく音を立てて動いている。



「やむまで一旦待つかあ。」



俺はシートをたおして横になると、スケッチブックをとりだして、さっき撮った挑発的なひなの写真を見ながら、絵を描き始めた。



「ひな、エロいな。誰にでもこんな顔みせてんの?」

絵を天井にかかげながら、イライラを隠しきれない口調で俺は聞いた。



「えっ、、、」

ひなは何かいいかけようとして、そのまま黙った。



「こんな顔、俺以外のヤツに見せないでほしい。誰にも見せたくない。俺だけの陽奈になって。」

独占欲がおさえきれず、俺は感情をむきだしにした。



ひなは一瞬驚いていたが、すぐに泣き出しそうな顔になって応えた。

「幸太さん。。。。私も、幸太さんの彼女になりたいです。。。」



「じゃあ、今からこうたってよんで。」




「こうたさ、、、幸太。。。。。。」




「今、人もいないし、雨すごいから、外から誰も見えないよ。」

俺は2人の間にある肘掛けを上にあげ、助手席のシートをたおした。



「コータ。。。。」

倒されたシートの上で、水着の上にぶかぶかのシャツをはおったひなは、浅く呼吸をしながら俺の名を呼んだ。


俺はひなにおおいかぶさると、首の下に腕を回し、とろんとした目で俺を見る、半開きになったひなの口に、舌を入れて激しくキスをした。

ひなは、恍惚の表情をうかべながら、俺の背中に手を回して受け入れた。


ぶかぶかのTシャツに手を入れ、強引にひなの水着をはずして胸を揉む。


「あっ、コータ、だめ。。」

ひなの息遣いがハアハアしている。


されるがままになっているひなの顔がたまらなく愛しい。


「もっと気持ちよくしてあげる。」

Tシャツを上までまくり、俺はひなの柔らかい胸を口に含んだ。



「コータ、だめだよ、ヤバい、気持ちいぃ〜。。」

ひなは目をつぶって恥ずかしそうに顔を隠している。


「ひな、めっちゃ可愛い。その顔、俺だけのものだからね。」



俺は、ベルトをはずしながら、水着の下の、ひなのうるうるになっていまにも溢れ出しそうな場所を優しく指で触る。

それに応じるように、ひなも俺のズボンに手を伸ばした。




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