深海魚の見た夢の話

夜はどうして

時の最果てのようで

海の底で朽ちた骨すら忘れられてさ

永遠に夜が根を張る世界で

他に誰もいない部屋で君と


憧れていた地上の話をしよう

お姫様と王子様がいて

二つの国が争い合う中で

二人は手紙を書いて苦しみに寄り添って

終わらない戦争を終わらせるために

二人は愛を誓うんだけど

幸せ、だったのだろうか?


星が輝いて降り注ぐこの夜は

特別できっと意味があるのかな

もしも世界中が二人を許せなくても

二人は手を繋いで目を閉じる


僕はどうして君を忘れられないんだろうか

海の底で朽ちた骨になってからも

二人はずっと地上に憧れて…


星が輝いて降り注ぐこの夜は

二人で見た最期の景色だから

終わらない戦争を終わらせるために戦った

最後の夜だから…


手を伸ばした。


届かなかった。


今ここに。

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