第9話-3

追憶の焦点

第3章 皇女の守護者


3.明かされた事実


「こいつは?」

「ICPO(国際刑事警察機構)に情報を提供してもらった…拠点は主に欧州だったが、活動範囲を広げて、中東やアジア区域でも売り出し中の殺し屋だ、通称〝ナイトメア〟」

 ナイトメアは本名・国籍・経歴不明。各国の要人が奴に暗殺されているが、犯行の立証ができずにいた。

「ナイトメアの犯行の手口は特殊でな…を使う」

「催眠術…」

 ナイトメアは催眠術で催眠対象を操り、自分の手を汚さず、標的を暗殺していた。


「偶然、ナイトメアと組んでいた仲間がICPOの指名手配リストに記録されていたんだ、逮捕後に刑務所での面会で口を割った」

「こいつはナルシストか?どうも好きになれんな」

 ナイトメアはどちらかと言えば二枚目イケメンだが、内面に問題があった。

「高額の報酬で動き、人殺しや犯罪を芸術として捉えているようだ、かつての仲間は奴について行けず、今では一匹狼アウトローってわけだ」

「やっぱりイカれた奴だ、災難だったな」

 新室は神流に同情した。


「奴に操られている間の記憶は一切ありません、高度な術で物的証拠は一切残らない、厄介な相手です」

 神流はナイトメアの操り人形になったことで、奴の恐ろしさを犇々ひしひしと感じていた。

「すみません、わたしのせいで皆さんにご迷惑を…」

 ミーシャは藍井チームの前で深謝した。

「あなたが謝る必要はない、もう奴の好き勝手にはさせない」

 藍井の発言で団結チームワーク力が高まった。

 そんな中…


「………」

 藍井チームのアジト付近に不審者がぞろぞろと接近していた。そして…


「居所が分かった、狩りの時間だ」

「皇女以外はどうなってもいい、しくじるなよ」

 ナイトメアとモナクライナ大使は野望を満たすべく、ある作戦を実行に移すのであった。

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