第3話-2

追憶の焦点

第1章 現場復帰


3.チーム合流


 新室が案内された場所は、郊外のレンガ倉庫街だった。藍井率いるチームは倉庫を一つ借りており、そこをアジトとして利用していた。


主任チーフ、お連れしました」

「ご苦労さん、よく承諾してくれたな」

 藍井は新室と出会うと、軽く抱擁した。

「足手まといになるかもしれんぞ」

「謙遜するなよ、部下メンバーを紹介しよう」


 藍井班は彼を含めて合計四名。

 浅野武彦あさのたけひこ。彼はパソコンや携帯電話、電気系統の専門家。コンピュータハッキングも得意としている。

 越吹昴こしぶきすばる。彼は変装での潜入捜査、情報収集を担当。お調子者だが知能は極めて高い。

 白石神流しらいしかんな。彼女は新人で現場経験が浅いが、素質があることから期待されて藍井班の一員となった。

 以上のメンバーに新室が加わることになった。


「皆、若いな…仕事のやり方もだいぶ変わっただろう?」

「まあな、俺もついて行くのがやっとだ」

 新室は威張ることなく、新参者のつもりで藍井班と接しようとした。彼らは任務を実行しようと動こうとした。

 

 そして…


 場所は都内の高級ホテル。そこは国内だけでなく、外国観光客の利用者が多く、海外セレブもお忍びで訪れていた。一流宿泊施設のことだけあって、サービスは充実しており、評判はすこぶる良かった。

 モナクライナ皇族は当ホテルに宿泊することになっていた。現地には、既に藍井班のチーム二名が潜入していた。

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