第2話…高校時代

0:高校2年の時の事


剛志:か、彼女が出来た!!ついに念願の彼女だ!!


剛志:ふっふっふ。これで小夏にもバカにされないで済むぞー。俺もついに……童貞卒業だ!!


小夏:え?剛志童貞卒業するの?


剛志:うわあー!


小夏:にゃは!何?その反応


剛志:な、なんでもねーよ!


小夏:童貞卒業がどうとか言ってなかった?


剛志:ああ、まあな。俺、彼女出来たんだよ


小夏:………ふーん


剛志:もっと驚けよ!俺に彼女が出来たんだぞ!?


小夏:おめでとーございまーす


剛志:なんだよその反応。つまんねーな


小夏:じゃあねー


剛志:……はあ?


剛志:なんだあいつの態度


0:しばらく経ったある日のこと


剛志:か、彼女が出来たはいいけど一向に童貞卒業出来ない…なんだか誘い方がわからん


剛志:雰囲気ってどう作ればいいんだ!?わからん…


小夏:あ


剛志:ん?


小夏:おはよー


剛志:おはよう。なんだ?その荷物


小夏:ちょっとねー。友達の家に泊まりに行ってたの


剛志:家帰ってないのか?


小夏:うん。ここ最近はね


剛志:いくらなんでも家に帰らないのは良くないだろ


小夏:大丈夫だよ。おじさんもおばさんも特に連絡してこないし、心配もしてないと思うよ


剛志:でも、帰れる場所があるんだから帰れよ


小夏:なんで剛志にそんなこと言われないといけないの?


剛志:そりゃ、お、幼なじみだから


小夏:だから何?関係ないじゃん


剛志:関係…ない?お前ふざけんなよ。俺がただでお前におちょくられてたとでも思ってるのか?


小夏:あーそうだね。剛志はあの時は童貞だったからおちょくってたけど、もうつまんない


剛志:……は?


小夏:楽しかったよ。でももうあたしも忙しくなったし、剛志にかまってる暇なんてないの

剛志:………


小夏:嫌いなの。剛志のこと


剛志:……ふざけんなよ!


0:剛志は小夏を突き飛ばす


剛志:……っ!ご、ごめん


小夏:………


0:小夏が倒れたと同時に紙が10枚ほど散らばる


剛志:おい…お前…なんだよこの金


小夏:……バイトしてるの。1日でこんなに稼げたよ


剛志:………なんのバイトだ?


小夏:……さあね


剛志:お前…落ちぶれたのかよ


小夏:………


剛志:………そっか。俺のことおちょくってたけど、本当にそういうことする奴だったのか。見損なったぞ……


小夏:…………


剛志:もう俺に近寄るなよ!クソ(ビッチ)


小夏:っ!(遮るようにビンタする)


剛志:………


小夏:………ごめん


0:小夏は荷物を持って立ち去る


剛志:おい!小夏!金はどうすんだよ!


0:剛志は散らばったお金を集めて小夏を追いかける

剛志:小夏ー!小夏ー!!


剛志:くそ!ラインも電話も繋がらねぇ


剛志:小夏ー!


剛志:……いた!


0:小夏は道路の外側で佇む


剛志:小夏!!


剛志:(M)俺はこの時の事はあまり覚えていない。頭が真っ白になっていた


剛志:(M)小夏はトラックが来たタイミングで道路に飛び出したんだ


剛志:小夏ー!!


小夏:っ!!


剛志:くっ!!


剛志:(M)あまり覚えてないけど。これだけは覚えている


剛志:(M)俺は小夏を抱きしめ道路の外側に連れ戻した


剛志:小夏!


小夏:……剛志


剛志:……お前、何やってんだよ!


小夏:……離して


剛志:……ご、ごめん


小夏:…………嘘、離れないで


剛志:こ、小夏?


小夏:……にゃはは。あたし死にたくなっちゃった


剛志:何言ってんだよ…死ぬなよ


小夏:生きちゃったね


剛志:死ぬなって言ってんだろ!何考えてんだよ!


小夏:なんかさ…色々わかんなくなっちゃった


剛志:……何が?


小夏:自分は何してんだろうって。自分は何のために生きてるんだろうって。自分の存在はなんなんだろうって


小夏:親も友達も…剛志も…。みんなが私を置いていく


剛志:ばかか。俺は置いていってないだろ


小夏:じゃあさ。剛志。私たち結婚する?


剛志:は、はあ!?す、するわけねぇだろ!


小夏:にゃは!そうだよね。するわけない


剛志:性懲りも無くまたおちょくってんのかよ


小夏:ううん。多分だけどこれで最後かな


剛志:な、なんで?


小夏:帰れる場所があるなら帰れってさっき剛志が言ってくれたでしょ?


剛志:うん


小夏:辛くて、どうしても逃げたい時は剛志の所に帰りたい。


剛志:………別にいいよ、それくらいなら


小夏:にゃは!ありがと!剛志ならそう言ってくれると思ってた


小夏:じゃあねー!またいつか会おうねー!


0:小夏はすぐに立ち去る


剛志:お、おい!どういう意味だよ!

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