第11話アルテパセラン国篇05「砂上の国よ…」

ーー静か?

どうしたんだっけ⁇

捕まって…。

逃げるつもりで手錠を壊して…。

意識がなくなって…。

真っ暗。

…。

うぅん。

●・●・

前方に何かが詰まってる感じ?

まぁ、いいや。

とりあえず箱を潰してみよぉ!

土?

て、事は生き埋めかぁ。古典的…。

ーー面倒くさい…。

普通の人間なら死ぬだろうな。 

確実に。

ーー土が重い。

この嫌な感じ…雨か?

……。

長い。

ご丁寧に結構、深いところに埋めてくれちゃって。

幸い埋められたばかりで土がふわふわしてる…けど…長い。

手がぐちゃぐちゃする…身体がべしゃしゃする。

鬱陶しい。


>>が

>>が

>>がさ

>>がさ

>>ざ

>>ざ


 

ーー土は、入る前に出来るだけ拭っておいた方が良さそう。

敵に痕跡を知らせる訳にはいかない。

ーー…泥だらけ…拭い切れない。

また見つかったら面倒…。

しかも、こんなに泥だらだと、けどこにも行けないッ!

この部屋は?

どうしよう?

マシなのは、ないかな?

ーー控え室か…泥を落として、着替えて、出来上がり。  

階段を走って登る。

長い廊下を曲がって。

長い廊下を走って。  

ーーもう!広過ぎるんだよッここぉッ‼︎

''ッ。

迷ったッ!


ーー…前から2人、後ろから1人挟まれたッ。

階段、下りたかったのに!

結局、見つかってしまった…。

相手は3人

前の1人は殴って来たので、回し蹴りを1発。

もう1人が刃を出して飛び掛かってきたので、腕を払って溝打ちに1発。

!!

後ろから両腕を掴み掛かられた。

後頭部で顔面に頭突きを喰らわせて、手を振り解いて顎に1発。


ーー?

何…⁇

何⁇

この変な感じ、目の前が…。

目の前景色が歪む。  

視界がぐらぐらする。

前にも確かあった様な…。

よろよろ起き上がった3人が、考える隙もなく男達ががナイフ片手に向かってくる。

ーー視界が歪むので、感覚に頼る。

刃を避けて、腕を払って。

右。

左。

左。

男がが蹴りの動作をしたので、こちらも蹴り返す。

激しくぶつかる脚と脚。

ナイフの先が頬を掠る。

ーーすかさず、刃を持ってる腕を叩き落とした。

刃を落としても尚、向かってくる男。

酒の樽で応戦する。

砕ける酒樽。

飛び散る酒。

ーーいっそ…。

…殺したら楽かなぁ…。

いやいや、さすがにそれは駄目。

どうせ、まずいし。

鼻血を出してる奴いたな…。

原因は「それ」か?

ーーァン、1人目を前に蹴り飛ばす。

ドゥ、2人目を後ろに蹴り飛ばす。

トヮ、3人目を踵落しで床に叩きつける。

殺さない程度に。

せっかく着替えたのに…汚れてしまった。


着替えて、下の階へ

ーーこっちに2人向かって来る。

彫像の影にそっと隠れた。

「ザルビス様の----__..-?」

ーー次の後継者?

え?

「--..-_-ナイル様--_---_!」

「--..-!クレオ様--_--!!」

誰⁇クレオ…?

あいつでこの国は大丈夫なんだろうか…?

どうでもいいけど。

その情報はいらない。

どうでもいい…。

ほんとに時間を無駄にしたっ。 

帰ろ。


ーー顔に傷出来てたら、面倒。

…出来てそう。

消しておくか…。

手を翳すと傷があった時間は忘却の彼方へ

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る