第12話 不可視の存在

 現代人の眼には見えなくなってしまった存在がたくさんある。現代のように“それなり”の科学の進歩でだれでも使える機械や道具が登場して生活が楽になり、お金さえ払えば必要とするものがなんでも揃う便利な時代。使う側としては操作方法くらいしか頭を使わなくなり、頭を痛めて考え工夫することに労力を払わなくなった…結果、脳の緊張は減り、本来持ち合わせていた“本能”は退化していくばかりに。

 不可視のものはどう見えるのか…大抵は一般的に呼ばれている「オーブ」である。つまり丸い白い球体である。飛んでいる虫のおしっこがカメラのストロボ撮影時に反射して写ったものと解釈をしている記事を読んだことがあるが、そう納得しているならそれはそれでかまわない…言論は自由である。

オーブの大きさはその力加減で大小さまざま。当然、意識・感情を持っているので、感情によって色が変わる。感情が平常の時は“白”、高ぶっている時は“黄色に近いクリーム色”、怒っている時は“赤”である。手持ちのデジタルカメラでストロボ撮影(昼間でも撮れる時があるが夜間のほうがよく写る)した際、オーブが“赤”く写っていたら、機嫌を損ねている証拠なのですぐさまそこを離れたほうが賢明である。力がある程度備わる者は通常の球体から人間にも動物にも姿を変えられる。基本的に“肉体を持たない者は通常オーブの姿”で浮遊している。

 平安時代について「くだらない質問」だと言われるのを覚悟で神様に訊ねたところ、京都の街はその当時、“物の怪(妖怪)”が実際に闊歩していて、当時の人間たちにはそれが見えていたというのだ。夜は恐ろしいので外出は控えていたらしい。安倍晴明や蘆屋道満なる“陰陽師”は事実存在し、活躍していたのである。ただ、それ以降、時代が進むにつれ人間には見えなくなっていったという。

 現代においても妖怪は存在していて、たまに出くわす時がある。こちらが気づかない振りをすれば彼らも逃げたりはしない。自分のテリトリーでおとなしくしている。

それに「蟲」、地上に這うものや何かにたかっているもの以外の“飛行しているもの”であれば赤外線を使うことで唯一見ることが出来る。動きがとても速いので夜間に赤外線カメラで撮影してから、停止かスローモーションで確認すれば姿がはっきり確認出来る。(ストロボ撮影はよく写る)たまに「Sky Fish(スカイフィッシュ)」などと呼ばれ紹介されるが、それはほんの一部であり、夜間の屋外で赤外線撮影すれば他にもいろいろな見たこともない蟲が見られるだろう。中には「大王トンボ」と呼ばれる大きな鋭い羽根のトンボが存在し、ほかの蟲を食べてしまうものさえいる。ウニのような形の毛のかたまり、集団で移動するものなど様々である。

 人間の幽霊はあちらこちらに昼夜関係なく居る。それらは一般に「不成仏霊」と呼ばれるものである。あまりにも現世に“執着の念”を抱いて死んだため、「行くべき所」に行けず現世にさまよっているのである。仲間をつくり数体で木陰に立っている姿を見ることがたまにあるが、数百年以上経つともはや人間の姿ではなく醜く妖怪化してしまい、生身の人間に悪事を働くものまでいる。

 「生き霊」もまれに見かける…これはとても厄介で、その霊を発生させている生きた人間(本人)がいるのだが、出していることを本人は自覚していない…原因は何かというとそこには必ず本人の“恨みの念”を異常なまでにかってしまった相手が存在していて、その相手や相手の住む近くに“無意識に”発生させてしまうのだ。相手が住んでいるのだろうか、マンションの一角をジッとにらんで立ち続けている女性の生き霊の姿を見た時はさすがにゾッとした。相手は何かしらの霊障を受けてしまう場合が多い。

 不可視の世界はただ“見えないだけ”であって“確かに存在している”のだ。

そうした中で陰で人間を支えてきたものたちに「精霊」がいる。彼らは山々に住まい、木々が生き生きと元気に成長する手助けをして人間を取り巻く自然界が澄んだいい“気”で満たされるよう頑張ってくれていた。同時に人間が住みやすい環境の中で理想の進化が出来るよう、春夏秋冬、気象、湖沼、河川、地表、地中、地殻、鉱物、動物、植物、海面、波、海中、潮流、海底、大気、雷、雨、風、火山、マグマ、紫外線など挙げれば切りがないありとあらゆるものや事象を大勢の神々や神仙、精霊たちが手分けして管理・コントロールして見守っていたのである。

そんな中、人間はその恩恵に気づかず自然を破壊し続けた…


参考資料:YouTube 検索タイトル名 

     1.Ghosts and Orbs 1…They exist !

     2.Ghosts and Orbs 2

     3.Skyfish it's 蟲Mushi

 




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