ロリっ子大好きクラブ


「お待たせしてしまい申し訳ありません」


桜は車から降りて俺たちの前までやってくると頭を下げる。いや、あまり待ってはいないけど…。

それより俺たちが何故桜の家に住まないといけないのかが気になる。


「それは大丈夫だけど、どうしてこんなことをしたの?」


「それも含めてお話します。どうぞ中へ!」


桜は何やら焦っているような表情をしており、俺たちの背中を押す。一体何がどうなってるんだ?

俺たちはリムジンの中へと入るとそこに居たのは春先生、カナ姉、美海みみ、美海のお母さんらしき人の4名だった。


桜が何をしたいのかもっと分からなくなったぞ?俺はお母さんを奥の方へ座らせ、入ってきた手前側に座る。お母さんは不安なのか俺の手を握る。

桜は俺たちが乗り込んだことを確認すると周りを見渡し、中へと入る。


「シートベルトはつけましたね?では、行って!」


「はい!かしこまりました!」


車はゆっくりと動きだす。桜はほっと一息ついてたが、俺たちはまだ不安だ。どういうことだろう。

桜に聞いてみるか。


「桜、どうしてこういうことをしたの?」


「実は皆さんは狙われておりますの」


その言葉に俺たちは驚く。狙われてるって誰に?


「皆さんは…その…『ロリっ子大好きクラブ』というのはご存知ですか?」


桜は恥ずかしそうな表情で言う。だが、名前のせいだろうか、危険さはない。それどころか何それ?という感じだった。


「「「「「はい?」」」」」


「だから、『ロリっ子大好きクラブ』です!」


桜は恥ずかしいから2度も言わせないでください!と言いたげに顔を赤くしている。名前がダサい!しかもなんだその保護団体みたいなやつは!


「で、そのなんだっけ?あれだ…あの…」


「私にその名前を言わせようとしてませんの!?言いませんわよ!」


怒りを表して、俺をポコポコと殴る桜。クソッ!バレたか!他の方はどうだろうか、お母さんの反応を見てみると何か考えていたようだ。


「お母さんは何か知ってるの?」


「…聞いたことありそうだけど知らないわ」


「そ、そんなぁ!あんなに凶悪ですのに!」


「その集団ってどんなことしたの?」


「それはですね…」


「はい!知ってる!美海みみ知ってる!」


美海みみちゃんは何かを知っているようで元気よく手を挙げている。


「その人たちってどんなことをしたの?美海みみちゃん」


「うん!何か袋を渡したり、変な人から守ったりするだけらしいよ!」


「へ〜子供たちを守って…ん?」


「ごめんね、美海みみちゃん。もう1回言ってくれるかな?」


「うん!えっとね!何か袋を渡したり、変な人から守ったりするだけらしいよ!」


俺たちは持っている袋を見る。もしかして、あの人が『ロリっ子大好きクラブ』の人?


「お母さん…これって」


「それは親切なお姉さんから貰ったのよ。そんなロリっ子大好きクラブだなんて居ないわ」


お母さんはあの時のことを記憶から消そうとしているみたいだ。ただ親切な人だったという認識でいくようだ。


「その袋を貰うとどうなるの?」


「なんかね、付きまとわれるんだって!」


俺、やばいかもしれない。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る