愛しい君へ相談

 やあ、元気にやっているかい?

 先月は突然の手紙にびっくりしたことだろう。

 何せ僕は、君も知っている通り、の筆不精だからね。


 そう言えば、もう弥生やよい三月だね。

 君とよく歩いていた、あの河川敷も河津桜は満開になり、足元を見れば菜の花も満開になっているよ。

 空の青色、桜の桃色、菜の花の黄色と緑色…それらの色を鏡のように反射させる水面みなも

 とても心騒ぐパステルカラーが眼前に広がっているよ。

 君の住んでいる常春とこはるの街はどんな塩梅あんばいだい?


 おっと、手紙の趣旨を忘れるところだった。


 先日のバレンタインデーにチョコレートを貰った話は覚えているかい?

 そう、女子高生さんの話だよ。


 実は、ホワイトデーのお礼をしようかと思っているんだ。

 まぁ、嫉妬深い君なら怒ると思うのだけれど…

 すまない、この手の相談が出来そうな相手は君しか居ないんだ。

 

 くだんの女子高生なんだけど、どうやら通勤(通学?)電車が同じだったんだ。

 今までは意識することも無かったんだけれど…

 「おはようございます!」

 って、朝から声をかけられると気にもなるわけだよ。


 さてさて、話が反れそうなので、軌道修正を…。

 

 まぁ、君も知っての通り、僕は女の子の趣向や好みには疎いからね。


 「適当なプレゼントを渡して、幻滅させればいいよ!」

 と、イタズラっぽく答える君の顔が見えてくるけど…。

 そこは、僕の顔を立てて欲しいかな。


 一応プレゼント候補としては、君とよく行っていた喫茶店で、君もお気に入りだった『Pudding a la modeプリンアラモード』を考えている。


 さて、要件は語り終わったので、この手紙はここまでとするよ。

 返事待っているよ。


 愛しい君へ

 変わらぬ想いと共に

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