【改稿の為、休止中】貧乏辺境伯領の転生令嬢は、チートスキルで領地改革致します!

@iza40

第一章 一話 ガーディア辺境伯領誕生期

「……神々からの祝福を汝、カティア・ガーディア。神々から与え給えた判定を表し給え。ステータスオープン!」


 流流と長るる神官の祝詞の最後を聞き終え、寝かけていた頭が覚醒する。


(おぉっと!ステータスボードに手を置かなくちゃ!)


 私は慌てて、眼の前の水晶に手を置いた。すると周囲が白光に輝き出して、目が開けられなくなった。


名前 カティア・ガーディア

年齢 5

所属 マレント王国ガーディア辺境伯領

種族 人族

職業 無

魔力 無限大

魔法属性 無 聖

体力 3

運 87

スキル アイテムボックス 鑑定 隠蔽 礼儀作法 

ユニークスキル 神々の百貨店 万物交流

称号 異界還り転生者 神々の協力者 創世神の加護


購入P 5兆8600 P


(…でえぇ!?なんじゃこりゃ!?『…ますか?聞こえますか?』…はっ!?誰ですか?)


 思わず目を開けてキョロキョロと辺りを伺うが、真っ白な空間で誰もいない。


『…あぁ、これは失礼を。今、人型を取りますから少しお待ち下さい』

「はい」


 つい返事しちゃったけど、する以外に道はなくない?


『…ふぅ、お待たせしました。人型になるのも五百年ぶりでして…』


 500年!?…この人神様だ!そんな刻を生きられるなんて『この世界ではハイエルフや魔族なら、500年くらい寿命の範囲内ですよ?』…やっぱり!読心術とか、神様じゃないとありえない!…それで?テンプレ異世界転生の次は、神の祝福時の逢瀬テンプレですか?私の人生、ラノベじゃないんですけど。


『まぁ、そう言わないで。君…カティアには、君の前世風に言えば、一石を投じる石になってもらいたいんだ』

 

 あぁ…それを聞いた私は、またもやテンプレかぁと思いました。【一石を投じる】→沼や湖…なんでも構いません。そこへ石ころを放り投げると波紋がどんどん広がっていきますよね?

 つまりこの世界の神は、この世界の停滞している文化・生活水準の進化を望んでいる。


「違いますか?」


『違わないよ。僕たち神々は、遅々として進まないこの世界の現状に飽き飽きとしてるんだ。だからといって、一度神々の手が離れた下界に神々が干渉すると、どんな力の余波があるか分からない。そこに、【奇跡の惑星】と呼ばれる場所から人を喚ぶことで、新たな存在が世界に刺激を与えてトントン・・・・になるんだ。カティアは流行りの異世界転生だけど、自分の好きな過ごし方・・・・・・・をしてもらって構わないよ』


 素晴らしく利己的な考え方をありがとう。私の転生にこそ意味があるというけれど、その後の言い方にも、なんか含みを感じるんなぁ。


『もちろんだよ!君は今の世界で5年間暮らしてきて、なにも思わなかったのかい?僕はそのためのユニークスキルを、君に大奮発したんだからね!』


 フンッと鼻息荒くドヤ顔で言われるが、それは神様たちの事情である。


 確かにトイレはボットンで、構造上の問題で一階にしかないから、私たち領主家族が暮らす三階から一階への移動は地味に苦痛である。だって、人間一日に何回トイレに行くと思う?具合が悪い…腹痛関係だと最悪だよね。ボットン便器とお友達とか…絶対ゴメンである。

 そしてそれ発展を退屈と言われても、こちらとしては困るのだ。確かに便利になれば楽にはなるけれど。場合によっては、軋轢あつれきを生むことだってある。


『それは時と場合で、臨機応変に対応してもらわないと…君の職歴なら慣れてる事案でしょ?』


 貿易関係の企画・商品開発の仕事が?


『プレゼン…だっけ?課題・原因・解決策・効果を提安して会議したりするんでしょ?…君の出生にピッタリな立場じゃない!』


 さっきは、自分の好きな過ごし方をしていいと言っておきながら、こき使う気満々じゃないか。矛盾している神様に、私はスンッと無表情になる。


『僕はただ快適生活の提案をしているだけさ。ユニークスキルをどう使うかは君次第さ!』


 なんかもう新手のキャッチにしか思えないトークである。私のユニークスキルは…神々の百貨店と万物交流か。


『神々の百貨店は、ネットショッピングみたいなものさ。神たちが司るカテゴリー毎に商品は分かれているよ。ディスプレイに表示される神のショップのお勧め度合いは、カティアが購入した商品によって貢献Pポイントによってもクルクル変わるよ。まぁ、必要なカテゴリーから引っ張ってきたらいいだけだけど、人って目についた商品を手に取るって言うしねぇ。貢献ポイント制度は、前世でいう考査の意味合いもあるから、神たちも必死になるよね!』


 いやいや、そんな裏事情は神界だけでお納め下さい。私に振らないで!

『ますます世界の発展に寄与するよね!僕って天才!?』…とか自画自賛してんじゃねぇよ!神界も世知辛い世界なんだなと、しんみりしちゃうじゃないか。上司がこれ・・とか、さぞ苦労が多そうである。部下の皆様に合掌致します。


『万物交流は、自然の草木から始まって動物や魔物とも会話が成り立つスキルだよ!あっ、さっきの説明で一番大事なことを忘れてた!百貨店で支払う購入Pは、君が前世で当てた宝くじ当選金を、ポイント変換したものだから!』


 何事もなかったように話を進める神様に、私はジト目を向ける。宝くじ当選金って、地球のお金をポイントに変換したの?


『僕はただ、当選金を異世界の購入ポイント金額に設定しただけだもん。地球のお金をこっちに持ってきたわけじゃないし、モーマンタイ無問題だよ!』


 私は『だもん』とか言う神の言葉を無視して、異世界の神の人数について聞いてみることにした。


『ん、神の人数?そうだなぁ。僕は創世神のアンと言うんだけど…僕を始め、魔法・力・戦い・知・学・豊穣・鍛冶など…20柱くらいの神がいるよ。そのうち顔を合わするだろうから、紹介はその時にね…もう時間になっちゃった。まだ話足りないけど、教会に来ればまた会えるし。今日はここまでだね…Buy!』

「…分かりました。また会いましょう」


 あれ?ノリで返してくれないの?って顔をした神様と、もちろん返しません…と菩薩の笑みで手を振る私は、白い光に包まれた。目を開ければ、教会に戻ってきていた。

 私はまだ創世神様に文句と説明が聞き足りないから、教会まで会いに来なきゃいけないなぁ。

 父様に話して、教会へのお出かけの許可をもらわなくちゃ。

 あの場はなんとか普通に答えられたけど、これからを考えたら、絶対忙しくなるよね?今日の出来事を教会の人が知ったら、【奇跡の御業】とか阿鼻叫喚になりそうだから黙っとこ。


「本日の祝福の儀は終了になります。どんなスキル・ステータスでも、その人の人生に無駄はありません。努力を忘れず精進すれば、自ずと道は開かれるでしょう。神の思し召しがございますように」

 と司祭様の説法を聞き、祝福の儀は解散となった。

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