息吹く煙

蝋燭を灯す ただ五月雨髪を纏う

 言葉の無駄使いよ 穢らわしい

 あっちへお行き


 煙管を息吹く

 何だい それじゃあ私が底意地の悪い女みたいじゃないかい まあもうこの年だ売れるだけ熟れたわ

 昔からふと思う

「雛雀が上手く飛べずにいる それを手伝うならば親鳥はどう思うのだろうか」

 中途半端な優しさで手を出し傷付けて、その後の生きる術を教わらずにたった今にも死んでしまうのかもしれない

 

 その点、私は

 

 嗚呼いつの間に蝋がこんなにも溶けたか 

 

 そういう意味か 答等とっくのとうに分かりきった事ではないか 

 酷な浮世だわ

 それならばこの人生の残忍な一幕に一人で泣くだけよ

 

 こんな暗闇に浮かぶは誰その顔

 ふふ、やはり私は、

 こんな時まで貴方を思い描いてしまうわ


 愛おしい、愛おしく狂おしい想い入れのある貴方


 ふふ、やはり私は夢でも見てるのかしら

 それなら言えるわ

 

 噫、私を殺して​─────

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