ロリコンおじさんと恩

この間はほんとにしんどかった、あの後も長い間熱が出るし声はおかしくなるし。気を取り直して今日から復帰だ


「こんにちはー」


「おっやっほ〜、何だかお久な感じー」


テルミさんと会うのは確かに久しぶりかもしれない、1週間くらい会ってなかった気がする。


「いやー災難だったね。あの後倒れたんでしょ、聞いたよー」


情報出回るの早、女子の情報網は舐めない方がいいとはこう言うことか、いや女子じゃないけど。


「ほんとですよ、その後オーナーが俺の家に来てお粥とか、作ってくれたりして。」


「いい人だよね、やっぱり。僕も昔を思い出すよ」


「似た経験あるんですか?」


「私もちょっと無茶したことがあってね。」


以外だ、割と力を抜いてゆるい感じてな人だと思ってたのに。


「ここの店に入ったばっかりの頃にさ、体調壊しちゃってね。オーナーと先輩に迷惑かけたんだよ。その時も流行病が蔓延しててさ、みんなが早退して行く中一人で耐えちゃって、キャパオーバーでバッタリよ。」


「意識が朦朧とする中さ、先輩が来てくれて応急処置みたいなのしてる時に、オーナーが来て救急車呼んだの。そんな大袈裟なって思うでしょ、けどあの時呼んでなかったら私は今頃お陀仏だったかもしれないって、聞いたらゾッとするよね。」


あの人、経営以外にも何か資格とか持ってるのか。ほんとに何者なんだろう。


「だから命の恩人って感じ、これからもずっとついて行きたいと思うし、馬鹿にする人は許さない」


「テルミさんもそんな経験があったんですね、以外ですね」


「あれから体調不良には、敏感よ。だからよっぽどじゃない限り休むし。」


この前のはよっぽどピンチだったんだ、確かにやばかったし。


「オーナー以外にも、先輩も来てくれたんですね。そういえばテルミさんの先輩の話聞いたことないですね。」


「えっ、そうかな?まぁ私が今この店で一番の古株だから、みんなに話しても伝わらないから話してないだけよ。別に過去に何かあった訳じゃ無いし…」


こりゃ何かあったな、まぁ聞き出すのも悪趣味だしここは穏便に済ませよう。


ガチャ


「聞こえてました!テルミちゃん先輩の話聞かせてちょーだい。」


デリカシーの欠けらも無い子もそういえば今日から、復帰だって事をすっかり忘れてた。


「チホちゃん、ちょっと!」


「いいよ、刺激が強い話だけどね聞くかい?」


テルミさんの目つきが変わった、今までののほほんとした雰囲気から一変し鋭く何かを悟ったような目だった。

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