美術部総員、奮闘記。

ある日の話

　――ここは、どこにでもある中学校。さらに言うとどこにでもある美術室。そこには個性豊かな仲間がわんさか沸いているのでした。

　……どう？こんな始まり方

　莉月（りづき）がいいならウチも良いと思うよ

　本当！？じゃあ、内容も考えなきゃ！！

　はは、そんなに慌てなくても良いでしょ。まだ、中学生になるまで１年もあるんだから。

　思い立った日が吉日、ってことだよ！………！

　そうだね、莉月。

　※※※

「。」

　一人の少女が、美術室の扉の前に立っている。そのセーラー服は二年着たからかしっかりと体になじんでいた。胸ポケットにはありとあらゆるものが仕舞い込まれている。

「…………私がこの世で一番青春してやるんだ、」

　風見莉月（すがたみりづき）、中学3年。語りかけるように、独り言を言った。